長期休暇から日本の働き方と、個々の生き方を改革しよう

長期休暇の取得を前提とした社会体制が、私達の生き方を変える

では、どのようにして“生き方を改革”できるでしょうか。企業側も、労働者側も、長期休暇の取得を前提とした社会体制へ移行すればどうでしょう。土曜は半ドン、日曜は休みにします。百貨店やスーパーも日曜は休みです。その代わり、平日は7時から22時くらいまで営業(もちろんシフト制ですが)します。もちろん残業はありません。そうすれば、買い物などは早朝や仕事の後で行けますので、何も休日を潰す必要はありません。不足分はネットショップが代替します。公的機関もわざわざ平日休みをとって行かねばならないなどという本末転倒なことにはなりません。1日が有意義に活用できます。お店側も年中無休でダラダラ営業をするという悪循環から脱することができ、経営も効率化できるでしょう。そうなると経営能力のない企業経営者は自然淘汰され、無駄な税金の浪費も減ります。


勿論、こうしたからと言って即座に劇的に変わることはないでしょうが、現状維持で行く事とを比較すれば、こうした欧米レベルに換えることは重要ですし、大体、日本が今のような社会体制になったのも、戦後の特殊な事例です。それまでの日本は今の欧米と変わらない体制をとっていたのが敗戦でゼロベースとなった国土を回復する為に官僚が築き上げたものです。国民の自然な営みに歩幅を合わせれば、今日本の社会を蝕んでいる官僚制度が多少なりともその影響力を失ってゆくのもまた自然な成り行きになるでしょう。

人生の棚卸しや、自らの生き方を見つけることに貢献できる長期休暇の効果

先にちょこちょこ休みをとっているだけでは、休みの効果がないことを述べましたが、現代の人間の生活にとって、長期の休暇はその人が人生を見直すことの大きな助けとなります。ほとんどの人間は仕事を続けてきて休みをとっても、仕事のペースから完全に頭を切り離すのには時間がかかります。1週間は自然な生活をすることで初めて“自分の考え”に切り替えることができます。つまり1週間休んで初めて自分の生き方を考えることのできるスタートラインに立てるのです。これまで意識をしたことのないものについて考え、触れることで視野も広がります。そして自分の置かれた環境の変化に初めて気が付き、見つめ直すことができるようになります。新たなものを見つけチャレンジするのにも時間を要します。幸いにも先進国であるという幸運を手にすることは、明日食べることに困窮する環境ではないのですから、時間を自己で大切に運営することができるのですから、意義ある生き方を追求するべきなのです。そして長期休暇はそれができる唯一の方法と言っても過言ではないでしょう。

ほとんどのケースで日本式経営は終焉している。新たなパラダイムシフトを実現しよう

戦後の日本は規格大量生産による無個性社会を実現し、防衛などの国際・社会問題を無視することで、日本式経営を確立し、敗戦で壊滅した社会から脱出しました。しかし日本国民はあまりにこの方法に適合し過ぎて過剰な官僚支配体制を許容してしまいました。そして時代が変革した今でも、日本式経営はその根底に燻っており、官僚支配は社会を揺るがせるほど崩壊しているにも関わらず、国民の危機感はありません。


今の若い世代は、その身を犠牲にして経済復興に尽くした層が育てた層に苦しめらることになっています。そしてその政策には未来はありません。その意味では戦後の日本式経営は終焉しています。いまこそ、大胆なパラダイムシフトを実現して、悪路を絶たなければなりません。確かに今の情勢を見ていると、もう手遅れかと感じることのほうが多いのですが、それだけに個々の人生を見直すことで新たなパラダイムシフトを構築しなければならないことは自明の理で、その為の長期休暇、それが無理なら転職して時間を作って長期休暇を実現することから始めることも重要ではないかと考えます。

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