日大アメフト”報道”事件は、何も解決せず、これにて一件落着?

陽は昇る 私的日録
日々の移ろい・感受した
ことを書き連ねました。

1に監督、コーチを吊し上げて、2に今後の進展によっては日大理事長などを視野に入れて、3にでも日大アメフト部や特に宮川選手には寛大過ぎるくらいの待遇を与えて、このメディア発の大騒ぎは終結しようとしています。これほど、「宮川選手は悪くない。悪いのは全て監督とコーチだ」という筋書きを、連日テレビでバンバン流していると、テレビタレントやテレビ御用達の識者(なんのことか)を始め、監督のおかげで日本一になれたOBも、いや誰一人として、この流れに異を唱えることはできない空気が出来上がっています。集中砲火、個人攻撃…こんなことを全国ネットでしていたら、当然誰も我が身かわいいで対象者には寄り付かなくなるのは世の常です。でも、これまで監督もコーチも「QBを潰せ、殺せ」と言い続けていながら、誰一人として今回の宮川選手のような蛮行に及んだことがない事の精査や、20歳を越えていながら、いくら言われたからと言って、人の人生を奪う可能性の高い危険タックルをしたことに対する事実解明を、すべて監督とコーチが追い込んだ言っておいて、その後メディアから雲隠れしてしまっている現実を皆が納得しているのでしょうか。

私は宮川選手が正直だというのにも奇異な印象があります。あれまでネットで叩かれていれば、そしてそこに誰かが助け舟を出さねば(記者会見までしてるんですから)と考えると、彼にとって唯一の対応方法、つまり全て責任は自分にあると言いながら、原因の源は全て監督とコーチにあるという方法は、ある意味常套手段に過ぎません。もしあの時点で宮川選手が助けてくれと言って来たら、あれ以外の方法があればご教授願いたい。それほど通常の行為です。

なにより今回の騒動で、最初メディアが重視していた、このスポーツの根底にある暴力容認の何とかとか、選手を追い込んだもの云々などは何一つ解決どころか精査すらされず、いつものパターン。「現場は悪くない。追い込んだのは組織の頂点に立つ個人であって、それは糾弾されるべきだ」に落ち着き、誰もがメディアに逆らったら怖いという強烈な印象だけを感じ、残すことになっただけです。

かつて日本のプロ野球を代表するエース投手は、人目も憚らず「顔面に(ボールを)2~3度ぶつけてやったら、打つ気をなくすよ」と言ったり、名監督と言われた方でも選手を蹴り倒したり、乱闘があっても真っ先に飛び出して挑発する。事実、ホームランを量産していた外国人選手が顔面にボールを当てられて顎が砕けたこともありましたが、これが監督の指示などと言われたことはなかったものです。「時代が違う」よく使われる言葉ですが、時代の何が、どう違うのか、そもそも僅か20年ほどの違いでなにがどう変わるものなのかなど抜本的な議論などまるでありません。

そんな時代を知るものにしてみたら、もっと真剣に問題に取り組めよ、と考えてしまいます。

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