陽は昇る 私的日録
日々の移ろい・感受した
ことを書き連ねました
北海道胆振東部地震、西日本豪雨など、今年の日本列島は未曽有ともいえる災害が連続しています。被害が起こる度に増えるのが自衛隊の災害派遣とボランティアの数です。時には猛暑、また時には極寒の中で不眠不休の活動をされている姿には敬意しか浮かんできません。しかし、だからこそ、今のような救援体制はそろそろ見直しをしなくてはならない時期を迎えているのではないかと思います。
まず自衛隊。且つて阪神震災の際は、当時の県知事が自衛隊を県内に入れたくなくて依頼を躊躇っていましたが、今ではそんなことは過去の産物。台風が来たら…、地震があったら…。いつも自衛隊が駆り出されます。これによって、自衛隊と国民の距離が一時のような偏見から抜け出せた意味でも必要だったかも知れません。
しかし、半歩下がって見れば、隊員はこのようには考えてはいないことは明白でしょうが、思い労役を集団で課せられる重い懲罰を受けているようにもとれます。現在の自衛隊が災害救助を担う事は、今の日本では致し方ない点がありますが、いつまでもこれではいけないでしょう。例えば有事の危険が迫っている中で災害が起きた時、或いは中長期の活動が必要になった場合など、自衛隊活動自体が板挟みになるような状況も想定されます。
ボランティアも同様で、例えそれが善意からであっても、誰でも無秩序に災害地に入れば、問題も多発します。実際、どこの被災地でも、メディアは報道しませんが、少なからずトラブルが起きているのも事実です。災害ボランティアは、いくら好意的に見ても、体の良い使い捨ての無料奉仕者では役には立ちません。
その対策として、例えばアメリカの州兵のように、都道府県ごとに自衛隊の下部組織を募集、編成して、年間一定数の災害訓練を義務付け、主に災害対策に当たれば、いざというとき役に立つでしょう。自衛隊の参画もその都度の状態を見ながら検討すればよいのです。それに対して一定の報酬を与えても、その効率や経済効果も含めて、これはプラスになるでしょう。
また災害地のボランティアについても同様で、都道府県ごとに準隊員を設けて継続的にボランティア講習、実習などを続ければ、全国に万単位の災害専門の訓練された隊員がいることになり、且つ市民の社会への参画意識も高まります。例え給料を払っても、充分おつりがくる試算ができるのではないかと思います。
災害救助は業務効率的に見ても自衛隊に匹敵するようなボランティアなどは考えられないの事実ですが、自衛隊の最大の役割はあくまで「国防」です。日本人が無意識の中で、仕事を妨げることがあってはいけません。であれば、「下部組織化」「準組織ボランティア」の導入などを検討することが必要ではないかと考えます。