害鳥駆除を考える① | 害鳥被害とその現状について

害鳥被害とは具体的になにを意味するのか。
これには立場によってさまざまな事象があります。

例えば空港であればバードストライクは深刻でしょう。
映画の「ハッピーフライト」では、このためにハワイ行きの飛行機が渡航の中断を余儀なくされるのですが、ただ単に鳥が飛行機に当たるだけでは済まない様が描かれています。

意外に多いのが商業施設や大規模工場です。
もちろん糞害などもそうですが、意外に多いのが環境の為に植えた芝などを食べたりするのも悩みだと聞きます。

害鳥駆除の公害とは

対して”害鳥駆除の害”があって、これが意外に深刻なのです。
これは何かというと、害鳥駆除の作業に伴う公害のようなものというと分かり易いかもしれません。

害鳥駆除時の害

第一段階として、何らかの害鳥駆除を施した直後の害です。

カラスを爆音や、鳴き声を流したりして追い払うやり方がありますが、これらはある程度の音量が必要になるので当然不快な“騒音”が発生します。
同じように薬品を使った場合には悪臭や、間違って触れると手に薬品がこびり付いたりします。
また器具を使った時も景観の悪さや、それが風などで飛んでゴミ化したりなど様々です。

そもそも鳥に対して嫌がらせをするものですから、人にとって快適である事はないでしょう。

害鳥駆除を施した後の害

第二段階としては、駆除を施した後の害です。
散布した薬品が汚い状態で残ったり、駆除の使った部品などが朽ちてしまってゴミ化したり、景観を悪化させたり、中には悪臭を発する場合もあります。

また鳥の死骸が増えて困った例もあります。
つまり、害鳥駆除自体が害になっていること。
これがどうしても駆除自体を躊躇させるものになっています。

しかし害鳥とは単にゴミ袋を食い荒らすとか、鳴き声騒音や景観を悪化させるだけではなく、人命に関わる問題もあります。
そして、同時にそれを駆除する時には、非常に煩雑な法規制があります。

生命に関わる病気による害鳥被害

害鳥による被害の中で直接人命に関するものもあります。
とは言え、それが市場に瀰漫する可能性が交通事故並みに高いわけでなく、どちらかというと希であると言ってもよいかと思います。
しかし、生活や仕事面で常時、鳥と関わっているような場合は当然その確率は跳ね上がります。
また、深刻な症状があるものでも地域によって心配のいらないものもあります。

例えばヒストプラスマ症などは呼吸器や全身性真菌感染症の代表的なもので鳥や蝙蝠の糞などに近い環境で作業などをしている場合に発症したり、飼っている鳩からなどと言うケースがあります。
頻繁に集団発生が報告され、確かTVドラマの「ドクターハウス」にも、これを原因不明の病気の原因となっていた話があったと思います(確か…のレベルですが)。
しかし現状では日本国内ではほとんど心配がないと位置付けられているので心配には至らないと考えられています。
あくまでも現状でのお話ですが。

逆に日本で実際にあったケースですが、鳥との接触が全くないにもかかわらず集団感染が起きたものもありました。
川崎市の社会福祉施設では施設の職員や入居者が原因不明の発熱や肺炎にかかったため、調査したところ、施設の換気扇の外側に鳩の巣が確認されました。
ここから鳩の糞が施設内に流れ、それを吸った結果でした。
このとき検出されたのがオウム病クラミジアで、これは発病した場合、保健所に届け出が義務つけられているほど深刻な症例です。
一般的な鳩の8割はこのウィルスを持っています。

カナダで発生したクリプトコッカス症

画像出典:Wikipedia

カナダのバンクーバー島で集団発生したクリプトコッカス症では、3年ほどの間に60人くらいの患者が発生し、うち1人は呼吸不全かなにかで死亡しました。
この時にはウィルスが想定され、検査の結果、鳥だけでなく、犬や猫などのペット類からも、また森林公園の腐敗木材などからも検出されました。
街がウィルス感染していたと言えます。

ただ、普通は平均すると一般的な生活者の発生は100万人に5人くらいと言われていますので、直ちに怯える必要はありませんが、それだけに、医師の間でもウィルス性の疾患を想定せず、風邪や過労によるものと診断して対応が遅れることになります。
また、これまでそのような被害が出ていなくても、何らかの環境で一気に大きな被害に繋がることもあるのが怖いものです。

ベランダに頻繁に鳩の糞害があるとか、マンションや工場にカラスや鳩がなんとなく多いと感じるときにはこのような意味でのチェックは不可避だといえます。
現代社会は、常にウィルス・アタックの危険にさらされていますし、食生活などから人自体も虚弱化しています。
充分な注意が必要になりますし、もし中長期に亘って原因不明の微熱が続くなどの場合も、原因の要因のひとつとしてのチェックが必要です。

それでは次回では実際の害鳥駆除についてとその対策の難しさについてお届けします。

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