若年層の不動産投資って、何考えているんだ
最近、若い方の中で家を新築される方が増えています。私の周りにもそんな方が少なくないですし、関東では若いサラリーマンが不動産投資するのが流行っているようです。もちろん様々なケースがあるのですが、ほとんどの場合、行き着く先は“後悔となる可能性”が極めて高くなるので注意が必要です。例えば、新築される若い方の典型的な理由は、“毎月家賃に6万円払っていても払い捨てとなるのなら、もう少し足してでも新築すれば資産になる”というものです。しかしこれはセールストークに過ぎず、これを頼りに購入を決めると、しなくてもよい苦労に繋がることが多いことを指摘したいと思います。例えば30歳前後で夫婦共働き、まだ子供もいなくて家賃6万、駐車場1.5万のところに住んでいるとします。7.5万払って手にできないのなら、ちょっと頑張って9万のローンにすれば資産になる。でもちょっと待ってください。月9万で35年で3780万。つまり3780万のお金を月9万で返済するのですが、借金には金利が付きます。条件によって違ってきますが、これだけの金額でローンを組んでも実際の家の価値としては、その半分ほどのものしか手に入りません。しかも持ち家には固定資産税や修繕費、庭がついていれば更に費用が嵩みます。そしてこれは落としやすいことですが、家はそれだけで住めるものではありません。洗濯機や冷蔵庫、掃除機、炊飯器などの生活電化製品から、カーテン、ソファなどのインテリア、その他、生活に関する費用が派生します。その金額はいくら抑えても莫大なものになることはあまり計算に入れられていません。とてもではありませんが、これだけではそんなに簡単に資産にはならないものなのです。それにそもそも新築物件が今後“資産”になるかと言う事も重要です。これから本格的に少子高齢化社会が訪れます。中長期に不動産価値が瓦解する事は明らかです。今3000万の物件は、今後急激に資産価値がなくなってきます。売ろうとしても買いがつかないというのがスタンダードになってくることは、誰も教えてくれませんね。
新築と考える前に知識を持て
もっと重要なのは、ライフスタイルの変化です。貴方の年齢で今の仕事で定年まで働き続けられるかということです。私は一つの会社で毎日9時間、定年退職まで働きますと言っても、そんなこと不可能ですよと言われる時代に変化しています。転勤や親の介護、貴方自身の都合で、別のところに住む必要が出てくるリスクはますます高まります。先に言ったように不動産が値上がりしない時代に、ローンと不動産の値下がり損を持つリスクはとても担保できません。そして今一つ、現在市場で提供される“新築物件”というのが、35年など“絶対に”持たないような代物だというのも考慮すべきです。
“賃貸か、新築か”。このような選択肢の採り方には注意が必要です。自分の仕事の環境や可能性、日本の社会の変化を見据えたうえで、賃貸をベースにした仕事を含む人生設計を建てるべきでしょう。それでも新築ができる環境であり、ある程度の環境の変化にもびくともしないと自信がある場合のみ、新築と判断すべきでしょう。こちらもご希望があればレライアンスでご相談頂けますので、ご遠慮なくお問い合わせ下さい。