現実を直視すれば見えてくる、日本社会の静かなる崩壊。

積み重なる日本の未来に対する不都合な真実

レライアンスでは業務支援と共に、プロジェクトの企画・立案・実施を行っています。プロジェクトとは固い表現ですが、具体的には企業の人手不足対策や次世代農業の企画、地方創生に伴う空き家対策なども御準備しています。しかし実際のご依頼の中身と現実のズレには隔靴掻痒の感が日毎に強くなってきます。これはかなり深刻な問題だと考えますので、このブログでは少し検証しようと考えます。

 例えば先にあげた人手不足等の問題はどれも単体で存在するものではなく、他の問題と複雑に関わり合っています。人手不足を解消する為のスキルであればいろいろ御用意できます。現状最も効果的なCIの構築であるとか、誰もが望む事業環境を再編成することも可能です。少し遠回りをしても新事業を興して軌道に乗せることで、注目される事業化を図る事も出来ます。農村の後継者対策や空き家対策でも、それなりの効果を中期に果たすことはできます。

 しかし最近強く思うのは、これらの対策は他より良いアイデアを形にしているだけで、経済成長が伴わなければ全体のパイが小さくなる分、悪状況に陥るところが増えるだけで、日本全体が根本的な問題の解消に本腰を入れて乗り出さなければ、いずれは僅かなパイの取り合いと成らざるを得ないだけではないかと言う事です。2016年には日本の総人口は33万人減少しました。現在の試算では2020年には650万人減少し、その後は年間100万が減少。2060年には9000万人、3分の2までに現象し、その半数近くが60歳以上となります。すでに農業だけでなく、全業種に至って人手不足が深刻化していて、打開策はありません。それに地方の崩壊、東京一極集中の歪が進み、そのアンバランスは日本の仕組みそのものを破壊して行くと考えられます。

関心も知識もなければ崩壊は止められない

 ところが、当の日本人の多くには、それに対する危機感がほとんどありません。なんとかなるだろうというのでしょうか、或いは自分の生きているうちに影響がないなら、自分だけは楽しく生活できればよいと考えているのかも知れませんが、世をあげてばら撒かれた税の分捕り合戦に予断がありません。星の数ほど補助金制度がありますが、ほとんどは申請者の懐に消えます。介護施設を見ても、数千万の補助金を手にしても施設を作れば、職員は薄給で使いまわすのがほとんどだと言われても仕方がないのが現状です。

 私は、どの数字を見ても、日本は末期的危機症状だと判断します。しかしそうした現実を一切見ず、希望的推測に縋りつく“ポリアンナ症候群”に陥っているといえるでしょう。それには何か有効な対策はないのでしょうか。実はあるのです。しかし、現実を見ようとしない日本人が、それを必要と感じることなく崩壊の道を歩んでしまう。それがもうひとつの末期的リスクだと言えるでしょう。

 国も経済も社会も、今の人達だけのものではありません。これらは子孫に受け継いでゆくものです。その為には、それなりの覚悟を持って行動すべきでしょう。私達も祖先から受け継がせてもらったのですから、その恩義を絶対に忘れてはいけないのです。

 

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