レライアンスでは「ビジネス・パーサー」業務をしております。これは平たく言うと「接待屋」。AさんがBさんを接待する時に失礼があってはいけないから、相手の事を忖度して、最適の場所をセッティングし、大まかな流れ(出迎えから進行、話題や時にはジョークまで)をシナリオ化します。始めたころ、ご利用者は企業関係者がほとんどの想定をしていましたが、蓋を開けると意外にプライベート需要もありました。
例えば結婚を決めたカップルが両方の親族に集まってもらう場のセッティングなどもあります。新郎側にも新婦側にも相手の両親、親族というのは精神的な距離があります。少子高齢化の影響もあって、実際に集まると全体的に上の年代の方の集まりにもなり、彼らに良い印象を持ってもらうために、また自分達の気持ちを伝える術が分からないというのでのご依頼なのです。ビジネス・パーサーでは、現場に同席することが前提でもあり、仲人的な立ち位置になりますが、これも時代ですね。
妙に力が入ったのは、ご夫婦の結婚50年(金婚式)の場、一泊二日の旅行に行きたいが、ありきたりのものでは…というご依頼。でも決して金満旅行を望まれているわけではない様子。お二人はこれまででも伊豆や熱海の温泉旅行にも行かれているので、それ以外のプランを作ってほしいとのご依頼です。これは結構難問でした。お話しを伺い、お二人の歴史を知ったうえで、お二人が共通に望んでいることを忖度します。
事前に事細かく打ち合わせをしてしまっては、サプライズの要素が気抜けしてしまいます。旅の全行程のセッティングということでもありましたので、自宅をでられてから疲れない工程を設定して、また目的地も高級温泉旅館ではないようにしました。特別な仕掛けなども用意したので、少し費用はかかってしまいましたが、結果的には大変喜んでいただけました。後日お二人がわざわざ事務所まで御礼に来て頂けたのは、こちらが感激しました。
変わったところでは“謝罪の場”のセッティングというのもありました。事の性質上、詳細は言えませんが、ある個人が複数の人達に謝罪して誠意を表さなければならない。その場所の設定などは大変難しいものです。しかも基本同行を前提にしていますので、同行した私達は謝罪する側になってしまいます。ひとつ間違えば…いや間違えなくても、鉄拳のひとつも受ける緊張感の中、徹底して依頼者側の立ち位置で進めました。
もちろんすぐに和解というほど甘いものではありませんが、落ち着いた環境で誠意を表すことで、両者の距離は随分縮められたと思います。
そんな「ビジネス・パーサー(接待屋)」には、いくつか質問も寄せられますので、代表的なQ&A。“よくある質問”にお応えいたします。
Q)費用はいくらですか。
A)内容や場所、目的に応じて違いがあります。ご予算をお聞かせくださいというのがありますが、この場合相場が分からないと思います。ご提案内容と見積もりの打ち合わせの後、着手します。これまで一番大きかった(詳細はわざをぼかしますが)のは、M&A事案の交渉の席で、双方あわせて8人(双方同行者が4人ずつ。法務関係者が併せて4人が同行。全16人)。高級料亭で3時間半。100万を越えるもの。小さくまとめたのは歯科クリニックのオープンで、3日間の企画でこれはオールインクルードで4万円弱でした。
Q)同行が基本と言う事ですが、私たちに代わって商談や交渉などもしてもらえるのですか。
A)もともとの“同行”の定義は「その場にいて、進行責任を負う」ことですので、商談や交渉などは前提ではありませんが、ご依頼があれば代行は可能です。但し、内容が専門化したものや、特殊なものの場合、費用が負担する場合もあります。
Q)海外でのセッティングは可能ですか。
A)承りますが、同行者の費用などはご依頼者様のご負担になりますのでご注意ください
Q)同行ではなく、企画だけのご提案やセッティングはできますか。
A)状況によりますが、その場合は、提案のご契約となり、現地でも開催責任はご容赦下さい。
Q)接待費は交際費にあたりますか
A)これは主体となる方の仕事や立場などで全く違った結果になります。また同じような内容のものであっても、手続き方法を間違えば交際費として認められない場合もありますので、ご自分の環境を踏まえた上でご判断下さい。
これに関してはネットでも多くの情報が見れますし、また税務署などへの相談をして頂くのが良いかと思います。
以上、ビジネス・パーサーのご案内に代えます。