定年退職者に追い打ちをかける制度疲弊
年金制度やそのほかの制度もこのような現実に対応するどころか、追い打ちをかけます。基本的には後期高齢者は異常なまでに保護されています。既得権益者層と言えます。その犠牲は若い世代だけではなく、団塊の世代のすぐ下の人口の少ない世代を直撃します。そうしなければ、年金制度などが崩壊していることがバレてしまうからでしょう。
では、追い打ちとは何でしょう。幾つか実例をご紹介します
①定年後は年収はよくある人で200万円…でもほとんどが0~150万円というところでしょう。特に定年後1~2年は0収入というのが多いのも特徴です。「安い」「やめない」「休まない」という、“3Y”しか道はないことを知るのはつらいものです。しかし現実には、仕事の時間や内容が変わらなくても、年収は減ります。それに加えて「継続雇用」年金の受給開始年齢が引き上げられ、企業の退職給付金制度が崩壊しています。
②年金制度に待ち受けている“罠”…年金制度は既に破綻しています。どのようなデーターをひっくり返して調べても、数年のうちに日本全国で石油が噴出さなければ、成り立つ制度ではありません。だから年金制度にはいくつもの“罠”が仕組まれています。
年金制度は、60歳から繰上げ支給すると年金額は3割減ります。つまり60歳支給開始と、70歳支給開始では、年金額が2倍も変わってくるということです。また、支給が始まるときに確定した金額は、一生変わらないことも、単に役人が計算し易くするための方便に過ぎないでしょう。
これは、繰り上げ支給した人が長生きすると、どこかの時点で、繰上げ支給をしなかった人よりも総支給額が少なくなるなど、複雑で不幸な制度に他なりませんから、充分な注意が必要です。
※繰上げ支給の申請は、60歳の誕生日を迎える3カ月前に届く「裁定請求書」の提出と一緒に行ないます。つまり、60歳の時点で、確定されてしまうのです。この時期の経済状況や健康状態、厚生年金や民間年金保険の加入状況などを総合的に判断できるような国民などほとんどいないでしょう。
※因みに、早期に受け取ることを選択すると、障害基礎年金を請求することができなくなり、寡婦年金が支給されなくなります。既に寡婦年金を受給していても権利がなくなります。また65歳になるまで遺族厚生年金と遺族共済年金が併給できないなどなっていて、そのようなことは普通の人は分かりません。生活が苦しいから、うっかり早期に受け取ると、障害基礎年金が請求できないと、後遺障害をカバーすることができませんし、ペースメーカー、人工透析、在宅酸素などの病気による障害にも対応してもらえなくなります。
はっきり言いましょう。こんなことは国家による詐欺行為でしょう。
定年後、年金と貯蓄だけで生きていけるという人は、益々少なくなっています。それどころか、60歳まで仕事ができなくなる人も激増しています。ましてしかし、「定年後」を過ぎた人間が、働く場所を見つけることは事実上、不可能に近いと言えるでしょう。