この時代に、まだ「報連相」って大丈夫か日本の企業

陽は昇る 私的日録
日々の移ろい・感受した
ことを書き連ねました

中堅企業の新人社員のフォローアップ研修会で講演をしました。講演と言っても30人弱の規模で、市内のレンタル会議室で行うミーティングレベルです。ところが当日、大雨の影響で、私の会場への到着が約1時間遅れてしまいました。事前の進行スケジュールでは、最初に社長の話が40分。進行役の部長が40分で、私の登場でしたので、穴を開けるまでには至らず、部長の話がほぼ終わるタイミングで準備ができ、いざ登壇しましたが、お二人の話は全く聞くことはできませんでした。最初の10分ほどは、”いやあ間に合わないかも知れませんでしたよ”的な掴みで、和やかに進み始めたのですが…

私に振られたテーマは「さあ、これからはあなたが主役」。少し変に聞こえますが補記として、”研修期間を終えて新配属された新入社員と中途採用社員に奮起を促す内容でお願いします”と書いてあり、社長には事前にメールで話の内容の要点については細かくお伝えして了承を得ていました。ところがぼちぼち締めに移ろうかと山の部分に差し掛かった時、急に参加者から戸惑いのような視線、続いて表情が見て取れるようになり、次第に会場に緊張感のようなものが走るのを感じました。

近頃よく聞く、目障り、耳障り、気障りなもの

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原因は私の前の部長の話。社員の仕事の進め方的なところで「仕事の基本は”報・連・相”をしっかりとできることが、良い社員の行動規範だ。」と言っていたらしく、私の講演では「昔は”報・連・相”を基本とする時代があり、未だにそれを引きずっている企業もあるが、そんな考えをしていては、組織は簡単に崩壊する時代です」と言ったものだから大変。変な緊張感が瀰漫するのも当然です。社長にはもちろん内容は伝えていて、後で聞くと部長にもメモで連絡していたと言う事でしたが、見ていなかったのか、無視したのかは不明ですが、見解の相違となったようです。

「報・連・相」は部下は上司に対して「報告」「連絡」「相談」を繰り返し行うべきと言う考えで、且つての戦後型日本企業社会では当たり前のように取り上げられた考え方です。しかし仮にも”一人前”である社員が仕事を進めるたびに、上司にお伺いをたてて進めるなどと言うやり方は、旧態依然の発想で、システムやデバイスが比較にならないほど進歩した現在では、仕事のスピード感が重視され、そんなことでは現場主導で物事が進むことはありません。つまり、日本企業の非生産性を表す象徴的欠陥でもあります。また「報・連・相」の多くは、畢竟管理職が部下に対して偉そうにするだけの儀式にもなってしまっている面もあり、特に中堅企業では注意が必要なことのひとつです。

今回の私の講演はまさにこうした「中堅企業の企業倫理、業務の美的感覚の変化」がテーマでしたので、定年に近い部長の凝り固まった考えと合致するはずもなく、また「報・連・相」と言っている本人が社長からのメモすら見ていないのですから、推して知るべきかも知れません。こんなケースが多いので、私は事前に社長に話す内容を通達して了解をもらっています。それでも齟齬は頻繁に発生します。日本の企業では規模の大小に関わらず、未だ旧態依然たる考えを若い社員に押し付けることは少なくありません。しかも多くの場合、会社自体がこのように大事なことに対して具体的なコンセプトを確立していないことにもあります。

「大丈夫か日本の企業」と書きましたが、このような小さくて大きな問題が日本の企業にはまだ幾つもあります。でも治る企業と治らない企業があり、後者のほうが圧倒的に多いことに、大きな不安を感じてしまいます。現在の日本の企業で、本当に生産性の高い仕組みを持っているのは、規模の大小に関わらず、日本の企業では珍しいことが大変多いといえます。あなたはその辺りをしっかり学ぶことをしていなければ、とんでもない過去の遺産を植え付けられかねないことを知っておいてほしいのです。

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