定年退職に訪れる社会問題は日本の経済問題である
これから定年退職を迎える60歳の手前の方々の、“その時の迎え方”について、ご紹介してきました。先にも述べたように、この後の世代は、このような退職時に受けるリスクは、かなり少なくなると考えられます。それは、残念な事でもあるのですが、もうその年代では受けることのできるメリット自体が無くなっていることが多いからであって、そもそも会社員として60歳を迎えることですら困難な状態となるかもしれません。
日本は且つては経済大国と言われた時期もあります。現在の日本経済のランクは大国ではなく、また一流でもなく、二流半、それも果てしなく三流に近いというのが正しい判断です。よほど激しい構造改革をしなければ、間違いなく三流以下に転落しますが、官僚主導の既得権益社会は崩れそうにありません。
おそらくは、1987年くらいから1992年に採用された、いわゆるバブル期に採用された人材(現在、49歳から54歳くらい)が、大量退職するころに改革が完了していなければ、その時点で日本は永い眠りに陥るのかも知れません。それまでに残された時間は10年程しかありません。もしかしたら、5年後には顕著化するのかも知れません。
本来であれば仕事や子育てなどから解放されて、悠々自適に暮らせていたなどと言うのはメルヘンの世界として遠くへ押しやられた社会が出現することになるのでしょう。
「そんな大事な時期に、あなたは何をしていたのですか」。この先、孫子に聞かれた時に、私たちにはどのような解答があるのでしょうか。
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私たち日本人の行動は、社会は多少齟齬があっても、基本的には正確無比に稼働していて、国民はその恩恵に守られていると信じて疑いません。しかしこの無尽蔵とも言える社会への信頼感は、民族としての生存本能に重大 …