これまで、「害鳥被害とその現状について」「害鳥対策の方法とその難しさ」についてお話してきました。
害鳥駆除のだいたいが一長二短くらいの印象で、最も重要な成果についても中長期的には効果てきめんというわけにはいかないようです。
相手は大空を自由に闊歩できる鳥類なのですから、当然と言えば当然かも知れません。
それに鳥類自体、大変賢い行動をとる一面をも持ち合わせていることも徐々に判明してきていますので、尚更かもしれません。
しかし最近、鷹による害鳥駆除というジャンルが注目され始めてきました。
つまり鳥類のヒエラルキーの頂点にいる猛禽類の鷹を害鳥がいる地域に飛ばすことで、害鳥にこの辺りは危険だと認識させることで近づかせなくするというやり方です。
私達レライアンスはこの方法については充分な検証を重ねてきましたが、大変優れた方法であることが確認されてきました。
しかし同時にこの方法を導入するについて大変重要ないくつかの点があることも判明してきました。
ここでは、この点についてお話ししようと思います。
鷹による害鳥駆除の長所
鷹によって害鳥を駆除する為には、まず鷹を自由自在に飼い慣らさねばならないと誰もが思う事でしょう。
しかし、鷹は誇りの高い生き物、鳥類の頂点に位置する生き物ですから、飼い慣らすという発想は捨てて、人間の方が鷹に仕えると考えます。
こうしたことを専門にするのが“鷹匠”と言われる人です。
片方の手に鞢(えがけ)と言われる鹿の革でつくった手袋のようなもの(弓道に使うものとよく似ています)を付け、鷹をそれに停まらせている写真などを見たことがある人もいるでしょうが、あの人達です。
鷹匠にも江戸時代には様々な流儀があったのですが、いずれも各藩のお抱え鷹匠であったため、明治時代には鷹匠は天皇家に仕えることになり、いまでは吉田流と諏訪流の二派を残すのみとなりましたが、中には我流で行っている方もおられるようです。
この鷹の調教、訓練、管理、表現は様々ですが、これ自体大変神経を使うもので、ここでは主題ではないので別の機会に譲りますが、とにかく鷹に信頼され、意のままに“飛翔して頂く”のは大変な作業と言えます。
そして、この鷹を使うのが“放鷹術”と呼ばれるもので、害鳥駆除にはこの鷹の存在が重要になってきます。
何故、鷹を使うのか
それは自然界の摂理を利用するからです。
害鳥と呼ばれる鳥達がある場所に住み着くのは何も思い付きでも偶然でもありません。
彼らは極めて真剣に自分達が住むのに適した場所を探して移動します。
そして、人目や天敵に見つかり難く、且つ暖かく、雨風の影響を受けない環境を探します。
ですから、一度その場所を見つけると必死に守ろうとして、ちょっとの事では離れることはありません。
薬や音などでちょっと追い払おうとするのとは違ったレベルの、まさに生き残る為の戦いなのです。
その場所に、鷹を放します。
それも巣の場所に極めて近い場所を、何度も何度も鷹は巡回します。
害鳥にとって、鳥類のヒエラルキーの頂点にいる鷹がその場所に跋扈するのは、すでにその場所が安全ではないということになります。
そしてやがて根がつきて、別の営巣地を探しに新たな旅に出て、再び同じ場所には戻らなくなるのです。
このやり方ですと、まず薬や駆除器具、騒音などの心配もありませんし、死骸なども出ませんので美観もよくなりながら、害鳥を追い払えます。
言う事なしです。
では、次では、この方法に落とし穴はないのか検証しようと思います。
放鷹術による害鳥駆除とその効果について
さて、それでは本当にこれがそれほど効果があるのかについて、そして従来のやり方と根本的に違う点などをお話しします。
害鳥駆除の場合、その結果は大別して、次の四通りあります。
①まったく効果がみられない
②最初効果が見られたが、すぐに慣れられ全く改善が見られなくなった。
③最初、効果が見られたが、その後も完全と言うわけではないが、ある一定の成果に至っている
④効果が見られ目的が果たせている。
①は論外ですが、意外とこのケースは少なくありません。
それは製品が問題の時もありますが、間違ったものを使っているのが原因の場合もあります。
しかし効果に至っていない点では②と同じで、これが多くのウェイトを占めていると言えます。
③は一定の成果をどこに定めるかによって評価は変わりますが、これも効果が出ていない点では同じです。
そして放鷹による害鳥駆除はというと、現在のところほぼ④の領域だと言えます。
「生命は道を探す」という言葉があるように、生き物というのは障害があっても、自分達の生命環境の為には限りなく可能性を探ります。
何度不利な環境に陥っても、その本質を学び、また戦います。しかし、自然には順応します。
鷹のように鳥類ヒエラルキーの頂点にいる存在、いわゆるボスによって生命の危機があれば、そこに家族を置いておこうとはせず、次の場所を探し始めるというのは、理屈では分かっていても、これほど効果があるものだとは理解し難いものでした。
鷹による害鳥駆除には、質に問題がある
しかし、ここにも問題があります。
それは生物が自然環境の中で学んで行く事なので、多少の継続が必要と言う事ですが、これは結果が出れば氷解する問題です。
一番の問題は「誰にでもできることではない」と言う事です。
放鷹はただ単に、鷹を飛ばせれば良いというわけではありません。
害鳥に生命の危機を感じさせ、その場所が危険であるということを学ばせる為には、鷹にも縄張りから鳥を追い出す気迫が求められる上に、正確なルートを飛翔させる最適なプランニングと、それを可能にする高度な鷹匠の技術が不可欠です。
最近ではネットでも放鷹による害鳥駆除を謳うサイトが増えてきていますが、ほとんどの場合、この技術が欠けているために、希望の成果に繋がらない事象が増えているようです。
レライアンスでは、おそらく業界では最高の水準を持っている鷹匠に依頼し、且つ依頼場所によって必要な場合、例えば工場や倉庫、或いはそれに付随する環境で営巣場所になっていると考えられる場所には、これに加えて捕獲を組み合わせたプランなど徹底した対応方法を御準備しています。
これによって、最高の効果を実感して頂けることだと考えています。
また万が一の場合には請負業者賠償責任保険や施設賠償責任補償などに加入して、漏らすことのない業務環境の整備まで果たしております。
ご依頼者様の多くは、長期に亘って様々なものを試したが、すぐに効果がみられなくなるという繰り返しで疲れ切っておられる場合が少なくありません。
また当然、トータルコストも跳ね上がり、放鷹術での見積もりをお見せすると驚かれます。
レライアンスがサポートする放鷹による害鳥駆除は、おそらく現段階では、これ以上の効果は望めない段階レベルで、放鷹術による害鳥駆除を行っていると自負しております。
もし、このような、ご不満やお悩みを持たれているのでしたら、一度ご遠慮なくレライアンスにご相談下さい。