「聞けば聞くほど違和感が漂う。小泉進次郎議員の“こども保険”②」

厚生労働者の数値と世論誘導

待機児童問題についてひとつ指摘するなら、まず厚生労働省が出した数字に問題があります。だいたいメディアに登場する“資料”などと言うのは、その資料を提供する役人なり、団体なりの明確な目的があるからにほかなりません。ちょっと拡大して解釈するなら、それによってある種の“世論誘導”をしたいのでしょう。待機児童問題でも、ちょっと細かな数字を失念しましたが、厚生労働省だったか文部科学省だったか、いずれにしても役人の資料では、6万人くらいいるとしていました。しかしこれもまやかしでしょう。いわゆる、申し込みしても入れなかった人は6万人いるのかも知れませんが、そもそも、どうせ無理だからとか、近くに元々ないからなどの理由で申し込みすらしない人がその数十倍いると言われます。これは就学前児童数ではっきり確認できるのですが、そのすべてが希望しないとは言え、数百万人規模で入れない人がいるという事実を無視はできません。まして、それが無料になれば絶対入るという人は200万人はいます。その“現実”を見ないふりをして、生まれた子供にお金を渡すだけでよいわけがありません。

現在、保育所や幼稚園に通っている家庭に注がれる直間接的な税金がどのくらいあるのかは知りませんが、ざっと一人平均300万は下らないのではと思います。その税の不公正感も問題です。待機児童の問題というより、それを進めさせない仕組みを変えない限り、日本はアジアの小国に成り下がって行くことになります。言を弄して誤魔化すような政治はすべきではありません。

岩盤規制との対峙

しかし、そうせざるを得ないのは何度も言うようですが「既得権益者とそれを守る役人の“岩盤規制”」にあります。この抵抗は単に反対勢力というような生易しいものではありません。先の例で言えばいわゆる“公務員保育士”の高待遇は私立のそれとは比較になりません。であれば、どんなに国益に反していても、一度自分が手に入れた“高待遇”は、普通は絶対手放さないのが人の常でしょう。以前、大阪市で公務員改革を謳った市長に対して、普段は上品で穏やかな知人の教師が急に表情を鬼のようにして「あの、橋下は…」と呼び捨てにしていた姿は印象に残ります。

よく比較リストなどを掲載して、“それほど違いはない”ような情報操作がありますが、それが初任給なのか、年齢比較なのか、昇給計算がされているのか、ボーナスが含まれているのかなどが考慮されていないことがほとんどですので、あてにはなりません。

“こども保険”から話が離れましたが、これから“既得権益者でないほとんどの国民”にとっては「既得権益者とそれを守る役人の“岩盤規制”」については、しっかりとチェック機能をはたして行かねばなりません。

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