“自分を見る鏡”としての世代論

行動規範から見る世代論

ある年代をひとまとめにして、その世代の行動規範や考え方を論じるという世代論については、個人を判断するには正確性に欠けるのですが、社会全体の傾向を図る場合は大変役に立つものですが、では世代をどのようにまとめ、どのような仮説を立てるかと言えば、これは人によって様々です。私は随分以前から私なりに、世代を見る物差しとしての世代論を持っていますが、手前味噌にはなりますが、かなり正鵠を射ていると自負しています。また私の周辺のスタッフにも物差しを提示して、その世代が一般論としてどのように見られているかを理解し、自分の行動や考え方を必要であれば修正すること、或いは他の世代を理解する為に活用することは“自分を見る鏡”として重要であると言っています。ビジネス手帳の最後のほうには年齢早見表がありますが、それを参考にその内容を御説明すると面白い事実が見えてきます。

 

例えば“団塊の世代”を含む世代、66~67歳から80歳前半の世代は、第一次戦後教育世代と言えます。戦後メディアの影響を強く受けた世代で反戦平和主義やマルキシズムに染まった年代です。戦後、仕事に就けない若者が、教師“でも”するか、教師“しか”職がないと教職についたと悪評の高い“でもしか先生”というのもこの世代で、70年安保闘争で自信をなくしていたのが、80年代に始まった自虐史観教育の影響で左傾化したと言われる世代でもあります。

第一次戦後教育世代の黄昏

対して80歳半ば以上の世代は、日本の伝統教育や、教養、躾の中で育った世代で、大正デモクラシーを謳歌していた世代は残っていませんが、その余韻を受けています。戦争の時にどの地位にあったかで敗戦時の経験に差異がありますが、特に80歳半ばから90歳くらいまでは、戦争で上の世代の空白があったために戦後社会ではいまだに政財界などで活躍されている世代でもあります。

こう書くとやはり“第一次戦後教育世代”に昨今の日本の社会を見ることがあるように思えますが、この世代論というのは、全体の20%前後以上には例外があるので、その年代が即こうだとは断定できないのは当然です。では、これからの日本を支えてくれる世代はどうかについては次回に譲ろうと思います。

戦後教育世代の影響

若い世代に入る前に団塊の世代の次の、50歳から60代半ばの世代についてですが、これは戦前の教育に触れた第二世代です。父親から戦前の教育価値観を教えてもらっているという点では、柔軟な傾向もあるのですが、個人差も顕著だと言えます。これは世代論もさることながら、仕事などの社会環境も影響しています。


さて30歳半ばから50歳くらいまでは、いわゆる“団塊の世代ジュニア”です。戦後の自虐史観やバブル経済、冷戦崩壊から2001年のアメリカ同時多発テロなど、多感な年齢を激動の時代に晒した世代で、経験によって個人差がかなりあります。ただ、考え方にも柔軟性のある世代でもあり経験知がものをいうようです。

期待できる30歳半ば以前の新世代

30歳半ば以前が残ります。これはネットの普及の影響もありますが、半世紀ぶりに日本社会がイデオロギーから遠のいたことで、自由に物事を感じられる世代です。堂々と愛国心を口にできるし、日本と言う国について自信を持って行動できる世代でもあります。この世代が戦後の日本社会を根本的に変革させてくれることになるのかも知れません。ただこれも30歳以下の“ゆとり教育”世代になると、知識や能力などに問題があると言われることがあり、その下の世代になると、まだ個人が確立されていないので、可能性にとどまると言えると思います。


実際はもっと詳細な要因があるのですが、ざっと言えば以上のようになります。どうでしょう。身の回りの方に当てはめてみると、50歳以下の世代にはかなり期待が持てるような印象があります。あとはやはり教育の立て直しでしょう。戦前のそれに比べるとやはり教育制度は今の文部科学省にはとても任せておけない課題ですので、しっかり教育改革を進めて行って頂きたいと考えます。

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