業務改革の課題③ だから企業は組織崩壊する  経営幹部の仕事の場合

現代企業が抱える経営幹部問題とは

いつの間にか業績が悪化してしまったという企業の多くには幾つもの共通点があります。その中で顕著なのは“経営幹部問題”です。つまり経営幹部が必要な仕事をしていない事です。業績がなぜか悪化の一途を辿る企業と、毎年業績が安定して上ってゆく企業とには、目に見える行動面で大きな違いがあります。

まず顕著なのは後者は仕事の最前線をよく“訪問”します。“視察”や“チェック”ではありません。つまり経営者が不信感を抱いていると誤解させない“訪問”なのです。情報は大切です。だから社内組織からや、外部からの情報は役に立ちます。でも、すべては語ってはくれないのです。伸びている企業は、ここがよく分かっています。そしてただ漫然と訪問しては意味がありません。そこで現場や組織の引き締めを図るのです。

 

いかにして改革をするか

この“引き締め”を曲解する場合が多いのですが、これは“威張れ”ということではありません。業績の落ちている部署の担当者を人前で叱咤したり、人前でなくても「君の代わりはいる」などと言うなどは論外(それが多いのです)ですが、交わす会話の中から現場が仕事をするのに必要なものを見抜いたり、中には排除するなどの能力も必要です。職場ではなにか問題を犯す社員もいますが、それは起こってからではなく、必ずと言ってよいほどこれまでに小さな問題を起こしているからです。

また後者に顕著なものとしては、“イズム”が出ていることもあります。例えば、社の購買部や休憩所、売店、食堂などに“社長の推薦図書”のポップがあって、企業のビジョンや基本理念を浸透させる工夫がそこに見られます。或いは“きちんとした制服規定”を持たれ、実行している場合も多いと感じます。服装規定がルーズな会社はIT企業に見られますが、IT企業では背広ではなくルーズな服装が制服規定だと考えればそれは一つの企業ビジョンでもありますが、一般企業で、ルーズが企業が成長する例は聞いたことがありません。

いずれの場合でも経営幹部の行動の目的は、組織が早急に新しい課題に取り組み、理解し、行動に移せる環境を創ることで、自らの経営者としての評価などを考えてはなりません。リーダーの評価とは、いつの場合でも“そのリーダーがいなくなった時に”初めて評価されるものなのです。

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