官僚主導の業界協調体制や規制社会が日本を滅ぼす②

電波法の問題

テレビやラジオではもっと極端で、電波法により免許化され、当然東京に集約され、NHKの内規で全国放送のAK(東京中央放送局)集中が完成しました。戦後、大阪や名古屋に民間放送が誕生しましたが、そうなると“東京でしか認可されない”キー局システム(番組編成権)制度が作られましたので、今でも流行の最先端は東京。それ以外の地方からは地方色の入った“事件・事故”や“伝統行事や芸能”、“選挙”などにその内容が限定されています。田舎を捨てて東京に憧れるのは無理もありません。

とにかくこの“規制”はあらゆるジャンルに瀰漫して行きます。そしてそれは国民の生き方や社会観、人生観にも広がっています。何かトラブルが起きると、ハイ規制。そしてそれを取りまとめる団体ができて、そこが官僚の天下り先になり、助成金がジャブジャブ投入される。現代社会はこうした蜘蛛の糸が縦横無尽に張り巡らされている構造になっています。これで改革やビジョンなどは作れはしません。

官僚主導の職務放棄

今テレビに連日登場する“加計学園”というのも、こうした官僚主導の業界協調体制が分からなければ理解し難いかも知れません。本筋ではないので、詳細は次回に譲りますが、日本の獣医師会はかなり官僚主導体制に染まった組織で、獣医師の質と量などのレベルは世界的に見てもさほど高くないのが現実です。それが半世紀以上も、官僚と業界団体との申し合わせだけで申請すら受け付けないのは、すでに職務放棄を越えた対応です。

日本国民は新たな時代の到来に立ち向かっています。しかし戦後の古い体質はそれを拒む政策をとり、剰え補助金や助成金の名のもとに、組織の存続に嬉々としているように見えます。官僚にものを申しても仕方はないでしょう。公務員は国民に奉仕する立場のはずですが、私達国民は公務員を首にする事はできません。選挙で強い政権を選び、それを支持することだけが唯一の解決策となります。今は暇なときにテレビや新聞で情報をカジる時期ではありません。来るべき私達の未来の為にしっかり学ぶ時期でしょう。

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