ECモール出店で存在価値を失った日本のアパレル産業。ECショップのこれから

日本のアパレル産業の事実上の崩壊 

日本ではアマゾンや楽天、ZOZOなどのECモールが3大モールと呼ばれていて、大きな収益を上げていますが、ご存知のようにこれらのモールは、単に需要と供給を繋いでいるだけで、自社でのオリジナル製品の製造や販売はほとんど行っていません。理由は簡単で”それは自分達の仕事ではない”と割り切っているのと同時に”それが儲からない”ことを知っているからです。皮肉なことにこうしたECモールの台頭の時期は、日本のアパレル産業が崩壊する時期とマッチしていて、やはり同じ時期には、世界各国から日本で一旗揚げるぞとばかりに多くの海外ブランドが進出してきましたが、数年も持たずに撤退しました。

現在日本のアパレル産業は完全に崩壊した状態で、何らかの形で勃興するには、5~7年の歳月が必要となってくるでしょう。また再興された市場は今とは、ましてや且つてのものとは根本的に様変わりしたものとなることは疑いようがありません。私はその時に伸し上がってくるメーカーは、これらECモールの利用をしないか、或いはかなり限定的範囲にとどまると予測しています。

事実だけを追っても、日本のアパレル産業は最初、こうしたネット販売には、かなり消極的でした。しかし業績の悪化が続き、またウェブ販売がすこぶる好調との情報もあり、乗り出さざるを得ない環境になりました。でも当時のアパレル産業は、いわば一種のスター的存在であり、その輝きが支持されるか否かが業績の分かれ目でした。ソロで活躍していたシンガーがAKBのようなところに所属を移して、皆と同じ振り付けで歌って踊るようになったのですから、その価値は埋没してしまいますし、それが24時間スマホの電源を入れると、日本のどこにいても見ることができますから、失望感にも繋がって行きます。ましては口コミで”○○の商品はペラペラで1回着たら縮んだ”などの記事が付け加えられたのですから、ブランド価値が落ちない方が不思議です。

ECモールとのせめぎ合い

一時は新商品を仕入れてきてECサイトを開いて、それなりの収益を上げたサイトもありました。しかしそれもほんの一瞬で、今では古着交換くらいが関の山でしょう。そんな中でアパレル製品を扱う場合のEC対策には充分な時間とフィロソフィーが必要となるでしょう。ECモールはごく限られた、特別競争力のある企業商品を除いて、ほとんどが出品者が儲かる仕組みではありません。あくまでECモール側が儲ける為の駒として出品者があります。誰もが常識としてECモールを選択するのでしょうが、そこには充分な対策が必要なのです。

リライアンスではECショップの企画・構築やネットショップの運営相談などを行っていますが、決してネットショップ構築を前提に進めてはいません。中身によっては出店されないことをお勧めする場合も少なくありません。ご判断に迷われている方は一度ご相談下さい。

 

 

 

 

 

 

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