老害パンデミック” 日本の再生を妨げる社会的老化現象の正体

20世紀末に日本経済に急ブレーキがかかり、社会崩壊が始まってから四半世紀経ちます。“改革”の掛け声は高まる一方ですが、実際には日本の再生は一向に進む気配もなく、日本社会は既に長期の低迷期に入ってしまいました。1989年にバブルが崩壊した後からの流れをみると、改革のスピードが遅いのではなく、残念ながら改革とは正反対の岩盤規制は益々強化され、既得権益層は自らの地位の安定を加速化した過去20年だったようです。
この20年の典型的なパターンは“老害パンデミック”の瀰漫。つまり団塊の世代を始めとした、岩盤規制に守られた既得権益者や、“高齢の有身分・無能者”の瀰漫であろうと思います。

例えば、大きな企業の幹部や、過去の事業でしっかりと資産を貯め込んだ高齢の「身分(能力ではなく)はあるが、能力のない」社会的集団は、本来であれば、その影響力は社会的な損失になるので、さっさと楽隠居するか、能力のある後進に後を譲るべきであるのに、自分の位置を誇示するだけでなく、もうどうでもよくなった過去の成功体験を振りかざして後進の邪魔をするなどの例がそれにあたります。

このパンデミックは現在では、日本のあらゆる分野に瀰漫していて、新しい日本社会が生まれ変わるエネルギーを削いで廻っていると言ってよいでしょう。とにかく、その知識や知恵の無さや、時代から大きく遅れていることに、なんら問題意識も反省心も持ち合わせていないのですから、問題の解決には高い壁が待ち受けています。このブログでも、その点を何度も取り上げ、「あと40~50年は日本経済は深刻な打撃からの回復が望めない状態になった」ことを伝えてきました。

しかし自体は既に国家の崩壊前夜のような危険性を持ち合わせるようになってきました。現在、日本の国内は岩盤規制に守られた公務員を含む既得権益層や高齢者、団塊の世代と、それ以外の国民とに二分されています。しかも後者は収入やその将来像については社会の低階級にしか属せないような一種の“カースト化”の現象がみられています。

今こそ日本には、明治維新のような社会のスクラップ&ビルトが必要です。社会が英知や志でこの末期的状況から回復するには、日本人は汚れ過ぎてしまったのかもしれません。今後100年を見据えて、日本社会を立て直すなどという希望は灰燼に帰してしまった感があります。

しかし、日本は民主主義国家の体裁をとっているわけですから、社会を変えようというのであれば、国民にはやはり選挙しか残されていないのも事実です。残念ながら現在、日本の有権者には、これと言って選択肢がありません。官僚にコントロールされる与党自民党と、国民としては恥ずかしいような愚かで、何の役にも立たない、むしろ害しか生み出さない野党政党のどちらかを選ぶなどという芸当はとてもできるものではありません。

老害パンデミックは、そんな社会をほくそえみ、益々瀰漫してゆくのでしょうか。

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