日本のホテルに引き継がれる”洗い場”文化
これは私の個人的な意見ですが、ホテルの泊まったあと、“どうでした”と問われた時、ある一定のレベル以上の場合、それ程違いがなく「ああよかったですよ」と何の情報価値もない返事をしてしまいます。それでも例えばホテルスタッフの気働きがあったり、“ああ、なるほど”と気づく点が多い程、具体的な記憶が話せるのも確かですので、逆にマイナスと感じるものがあれば、大いに減点発言になってしまいます。
その中で、以前から居心地が悪いと感じているのに“バスルーム”があります。もう一度言いますが、これはあくまで個人的な意見ですが…、洗い場がないのです。バスタブがあり、ちょっと離れてシャワーブースがあります。もちろんこれはスタイルなので仕方がないのですが、バスタブに併設して便器があると、私は壊れてしまいます。例えば、これは勿論泊まった部屋のランクによっても違うのでしょうが、例えば日本文化を豪奢に表現したような目黒雅叙園はタブなしだったと思います。逆に帝国ホテル東京や星のや東京などは当然のように洗い場がありましたが、グランドハイアット東京やコンラッド東京などもバスタブとシャワーブースが一体になっていて大変使い易く感じました。これは多分外国人の方でも以外に使い易いと評価できるものではないかと思います。
外国へ行ってそんな環境であれば、それは郷に入っては郷に従えでどのような形式でも良いのですが、日本国内であれば、そうした“発想”を紹介するのも良いのではと思います。利用客の視点に立ち、快適を追求するのがホテルの神髄です。価格とのバランスでどうしてもスペースが確保できない場合もあるでしょう。最近はバスタブなしの部屋もありますが、西欧文化をアレンジしたものは結構便利になっているのだと感じます。最近できる外資系のホテルに“洗い場志向”があるようですが、文化って面白いものだと再確認すると共に、難しいものと感じます。