”地方創生”追記。オーガル・プロジェクトスタイルだけが成功例か

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オーガル・プロジェクト

先般、地方創生に因んで道の駅のリスクについて御紹介しましたところ、複数の方から「岩手県の”オーガル・プロジェクト”をご存知なら、成功例として紹介してはどうか」という御意見がありました。貴重な御意見ありがとうございます。はい。私も視察経験があります。東京から行くと東北新幹線盛岡駅の手前、紫波町の紫波中央駅前にある総合施設で、従来の直売所だけでなく、かなり内容の充実した図書館や宿泊所、地元の飲食店、食品工房などを備えたり、オガールタウンなる宅地分譲なども手掛けていました。売りとしては”補助金に頼らないまちづくり”と言う事でした。一般社団法人のオーガル株式会社が運営していて、金融機関からの借り入れで経営しているそうです。同様の”地方創生”の成功例とされているものには例えば神奈川県藤沢市のFujisawa SSTなどもあり、こちらは蔦屋の出店がポイントであったようです。

これらの施設を始め、全国には幾つかの”成功例”はあります。それぞれが知恵を絞って良いものを築き上げて行くのは素晴らしいことで、これらを始めとして何らかの成果を持った成功例が多く生まれることを望む気持ちは変わりません。しかし大変穿った考えだと言われればそうだとしか言いようはないのですが、”政府の補助金”という形での箱ものつくりでの利用ではないにしても、これまでと根本的に考え方の違った、例えば補助金、助成金、或いは税金の類のものは一切使わないとか、巨大な空きスペースにはこものではなくても、地元とは言えテナントを集中させたりする手法は使わない創生案とかを実行するようにならなくては、やはり五十歩百歩と言われるのかも知れません。

Reihen von jungen Maispflanzen auf fruchtbarer Erde, leuchtende Farben

ちょっと説明すると、例えばそれが補助金、助成金の類でなくても、巨大な収益目的のスペースの設立であることは、膨大な資金が必要となってきます。そしてその事業を存続させるためには、収益が投資を上回わらなければなりません。問題は、地方創生は”そのような形だけで成されるものなのか”という問いにあります。「地方創生とは地方が豊かになること。そしてそれは全国の過疎化が進んでいる地域にプロジェクトを興して、地域や他のエリアからの冨を移すことにある」と定義づければ、それによって誰が栄えるのか。或いはそれで地域の過疎化が食い止められ、人口減少や経済の諸問題が解決に向かうのかと聞けば、そうとも言えないのが現状です。そもそも創られた最新の施設とは都市部の文化ではないでしょうか。

「これからの地方再生」

最近は補助金をそのまま採ることが簡単ではなくなってきましたので、形を変えて活用する方法がとられてきていますが、継続した収益体制を前提とした地方創生事業などと言っても、そんなことは当たりまえのことではないかと言われるようにならなければ地方創生など進むわけもありません。

例えば地方創生事業の定義を「農家が稼いて豊かになることを地方創生の目的にする」としてみてはどうでしょうか。いまは役所のガチガチの統制で農家が様々な取り組みをしようとしても、できにくいようになっています。兵庫県の養父町は国家戦略農業特区に選定されて様々に取り組んでいるのですが、ものによっては”自由にやらせる”ことで地域に工夫も生まれ、それが農家を潤せば、それは立派な地域創生になります。これまでの”物差し”を代えてみる。それだけでも地方創生の取り組みは前進する、そのような側面も忘れてはなりません。

 

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