日本の観光ビジネスの基礎講座

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観光ビジネスの“予算獲得型”と“目的創造型”

レライアンスは、観光アドバイザー業務にも対応していますが、従来の観光コンサルティングとは一線を画しています。それは日本の観光事業がこれまで、予算獲得型であった為、効果がでなかった事実を鑑み、それとは真逆の発想で行っているためです。具体的には、“予算獲得型”と言うのは、例えばプロジェクトを立案して社会資本予算を獲得する方法です。得た予算で道路を作ったり、街並みを作り変えたり、駅前によくわからないモニュメントを作ったり、変な動画をアップするなど、単に予算を消費するだけに終始する方法ですから、当然、効果など出るはずがありません。名所、旧跡の周辺に変な公園を作ったり、作り変えたりなど身近にサンプルはあるはずです。それに対して“真逆の発想”とは“目的創造型”です。竹田城を例に出しましょう。この城は現在観光客で溢れていますが、兵庫県朝来市の山中の極めて不便な場所にあります。ですので車で行こうと、電車で行こうとかなりの不便を覚悟する必要があります。でもこの”魅力ある目的地”さえ作れば、観光客は来ます。そして観光客が来れば、民間でも地域でも、誰かが道を作ったり、街並みを整えようとします。観光収入とはそうして観光客からの支持があってこそ実現します。便利なだけで誰も行かない観光地は“地域振興”の名のもとに日本全国に瀰漫しています。

観光地として成功する為の6要素

日本ではこうした観光ビジネスで成功しているところは僅かしかありません。その代表はあの京都です。京都は日本で唯一と言って良い程、極めてビジネスライクに築かれた“観光地”です。そう言うと京都は日本の原風景が残っているから、世界から観光客が殺到するのだと反論があるでしょうが、実際は戦後観光ビジネスに特化して、多くの観光客の希望に最適化してきた地道な積み重ねとビジネス戦略があったから、今のような観光地になったと言えます。以前のこのブログにも書きましたが、観光地の基本は、6つの要素から全部ではなく、2~3つを実現することです。
①歴史の要因…歴史的建造物や歴史的文化背景、有名な事件や、“それらしいもの”の現場
②物語の要因…小説の舞台であったり、演劇、日本ではマンガの舞台や名所・名物
③景色の要因…風光明媚な景色や奇勝絶景と感じられる場所
④グルメと音楽…食事が美味しい。また楽しく感じる音楽がある
⑤買い物の要因…賑わいに富んだ街並みがあり、そこでは名産・名物・お土産物がある
⑥女性と刺激…女性が美しく、或いは美しく見える。またギャンブルなどスリルに富んだものがある
これら全部を実現しては効果がありません。かつてはこの中の①④⑤辺りが京都を特別な観光地にしたのです。しかしその為には、様々なルールを作って行き、観光客が望む“京都像”を企画して行きました。“京都には日本の原風景が手つかずで残されているので、それに観光客が引かれてやってくる”と多くの人は考えますが、その為に京都では、そうした観光客の望む“ニーズ”に応えるために様々な“投資”や“企画”を行い、そこに予算もつぎ込んで行きました。それがあってこそ、観光客がイメージする“京都”が出来上がって行きました。
最近では、あまりに広い範囲をカバーすることになったので、観光地としてぼやけている部分がありますが、これほどの成功例はあとにも先にも日本では見られません。このことについては次回のブログ「ハワイと京都に見る観光ビジネス」でお話ししようと思います。

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