大人の旅ができる、少し地味な街 ”岐阜”と揖斐川丘苑(岐阜県揖斐川郡)

岐阜市には渋い名所などが散在しています。例えば熟年のご夫婦でゆっくりしたいと言うのであれば、岐阜市をベースにして2~3日の予定をとれば、とても寛げる旅ができます。でも、残念ながら東京や関西ではあまり知られていないので、脚が向かないのかも知れません。

観光地のファクターを揃えている岐阜

岐阜の駅前には今風の少しゴージャス系のビジネスホテルなどもありますが、ちょっと足を伸ばすと長良川観光ホテルや岐阜都ホテルなどの大きいホテルから十八楼のような和風旅館まで様々なタイプが揃っています。様々なタイプというと、観光スポットも、金華山のような登山系があるかと思えば、古い町並みが突如として現れたりします。それに多種多様な美術館・博物館が多いのもその特徴かも知れませんし、そのクオリティも大変高いのです。私が気に入っているのは三法荘美術館ですが、これは旧称で今は三甲美術館と呼ばれています。贅を尽くしたコレクションが揃っていて、ルノアールから橋本関雪のような和洋絵画からノンコウなどの焼き物まで幅広く揃っていて、ちょっと興奮ものです。

品数豊富だけではない”モーニング”や食文化

庶民文化として特筆できるのは何といっても“喫茶店”ですし、そこで提供されるモーニングサービスは是非とも御経験されるべきでしょう。少なくても5~6品、多い処では10品くらいの“おまけ”付きモーニングで、茶わん蒸しや切り干し大根、ピーナッツや駄菓子などがついていて、とても面白いのですが、競争が激しいと工夫が生まれるのか、中には大変センスのよいモーニングが出されるところも数多くあります。


食べ物で庶民文化というと、味噌カツや鰻が群を抜いています。味噌カツは甘い味噌ソースがたっぷりかかったとんかつで有名なチェーン店もありますが、岐阜へ行くと地元御用達の大変個性のあるものが多く、これも喫茶店とおなじようにオリジナリティを感じさせて秀逸です。鰻も香ばしく値段もお安いのも魅力です。どこの店というわけではないですが、どこでもそこそこのレベルにありますし、岐阜以外ではなかなか口にできないものもあってこれもチェックが必要です。

夏の岐阜の一押しはやはり”鮎”

岐阜と言えば鮎ですが、夏のシーズンによると郊外の川沿にヤナ漁が楽しめる場所がいくつもあります。夜などは簡素な、まるで海の家のようなところで、鮎の塩焼きや雑炊が楽しめて、抜群に印象の残る“グルメ・スポット”です。岐阜と言えばこの鮎をつかった“うるか”なども有名ですが、この地では特に有名な明宝ハムはお土産にも最適ですし、もちろん自分用にも必須アイテムと言えます。ちょっと贅沢するところもいくらでもあります。ここでは岐阜長良川とちょっと郊外のお気に入りをご紹介したいと思います。

長良川河畔で静かに舌と心を満喫できる 「潜龍(岐阜市長良)」

岐阜グランドホテルから長良川河畔に散歩に出るとすぐに、ただ物ではない佇まいの別荘風の建物があります。これが、ステーキ・網焼き・すき焼きの潜龍です。日本人が好む肉の食べ方を追求したステーキハウスですが、その建物の素晴らしさには言葉を無くします。インテリアも高級旅館のそれでいて、背伸びがないので、とてもリラックスできます。

さて大事なステーキですが、ここからは全てが適度な緊張の中で進みます。今日使う素材を紹介してくるのですが、その接客姿勢はいでたちから別格ですね。私はTボーンがお気に入りですが、ヒレなども上質のものが揃えられています。焼き肉にあるような油ギトギトの肉ではないのがありがたいですね。目の前で調理される肉にくには、もう後光が差しているといったら言い過ぎでしょうか。いやこの満足感、普通ではありません。

岐阜から少し遠い楽園 揖斐渓の別天地 「揖斐川丘苑(岐阜県揖斐郡)」

揖斐川丘苑(岐阜県揖斐郡)…岐阜市駅から車で小一時間北西に向かうと揖斐川につきます。川沿いの国道から揖斐川沿いに下ると揖斐川丘苑があります。ここはロケーションから庭園、味、展望風呂、揖斐渓の美に至るまで、全てが完璧なんですね。そもそもこの地に近づくだけで異郷のような実感が湧くのですが、一旦足を踏み込んだら最後、日本人の感じる究極のリラクゼーションタイムが始まります。

夏には鮎やあまご、冬には猪鍋などがあり、囲炉裏のしつらえの中で日本の食と美を堪能できます。なにが違うのか、同じ鮎やあまごではないような、味わいがありますし、猪肉も元が良いのかも知れませんが、かなり良い部分を惜しげなく使っていると思います。これだけのところは中々ないような気がします。

帰るときに、スタッフの皆さんが日の丸国旗を振って送ってくれましたが、これって皆がそうなのかは不明です。しかし、なんとなく国旗を振ってもらうと言うのは爽やかな印象を持ちました。周りの自然、日本庭園、純和風の佇まい、囲炉裏に供される鮎の塩焼きの形、冬の猪鍋の姿の美に至るまで、味はもちろんのこと、自らの感覚を刺激してくれること請け合いです。

(潜龍と揖斐川丘苑の写真はホームページより使用いたしました)

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