陽は昇る 私的日録
日々の移ろい・感受した
ことを書き連ねました
知人がお盆休みにヨーロッパ8日間の旅行に行っていたとかで、土産話などをたっぷり聞かせてもらいました。しかしこんな旅費の高い時期に家族でヨーロッパに旅行に行けば数百万はかかるでしょうが、景気の良いところは景気が良いのでしょうね。彼は百貨店に勤めているので、旅先の百貨店など自然に足が向いたようですが、いまだにフランスでは日曜が定休日のところがあると、えらく驚いていました。
そう言われれば、昔ほどではなくなりましたが、かつては土曜日半ドン、日曜休みの百貨店が結構あったように記憶しています。もちろん今でも日曜や週末には営業時間が短縮されるケースは少なくなく、あの年中無休のMacy’sでも日曜は開店も閉店も1時間くらい短縮されていたと思います。中にはレイトナイトショッピングディーと称して、木曜、金曜に遅くまで営業する国もありますが、日本のように休業日数を削る傾向が強いところはあまり聞きません。つまり日本では”長く働けば、それだけ収益が増える”と未だに信じられていることの証左なのでしょう。
もちろん、正社員は働き方改革やなんやらで休みを取らせる傾向にありますから、いきおい派遣社員やパート、アルバイトを多用することで賄うのでしょうが、そもそも日本の百貨店は、出入りのメーカーなどの犠牲の上に成り立っているので、経営努力と言えば”酷使”しかなく、知恵を使うことなど考えることは少ないのでしょう。
しかし、先の営業時間のこともそうですが、本当に日本の企業の多くは生産性が低いものです。例えば同じ百貨店でもドイツではそもそも営業時間が短いうえに日曜日は休みです。しかもバケーションで長い休暇や、もちろん有給休暇は完全に昇華します。それでいて日本と同じほどの収益をあげています。例えれば同じ100メートル走をするのに、ドイツはスタート位置からまだ100メートル後ろから走るようなもので、これで日本が経済大国というのは自由ですが、とても生産性が高いなどと言う事は言えません。
日本経済の活況は戦後の労働者の犠牲の上に成り立ってきたと言っても良いでしょう。しかし多くの人々がそれで戦後からの復興をなしえたのであれば、それはそれで評価できる…というより、感謝すべきことでしょう。しかし、昨今見られる経営者の不祥事や、労働者階級からの搾取を強めることが経営者の能力だといわんばかりの姿勢は看過できるものではありません。
有名なジョークに世界最強の軍隊とは「日本人の兵士、ドイツ人の参謀、アメリカ人の将軍」によって構成された軍隊であるというのがあります。更に最弱の軍隊は「イタリア人の兵士、日本人の参謀、中国人の将軍」というのもあります。ジョークとは誇張やおふざけではありません。余りに正鵠を射た表現に対して”笑わずにいられない”というのがジョークでもあります。このジョークの日本の参謀を日本の経営者に置き換えて考え直す時が来ています。