新型コロナウィルス対策 なぜ出ないWHOのパンデミック宣言

新型コロナウィルスとの闘いの第二ラウンドは始まった

新型コロナウィルスの広がりは留まるところを知らず、また発生源の中国が毎度の如く、人命や倫理よりも中国共産党政府のメンツを優先して情報操作や責任転嫁に現を抜かしているので、どうやら重要な情報を隠蔽しているとも考えられます。にも関わらず驚くことに中国は自国が感染を瀰漫させているのに、いい加減な数字や状況証拠を作って、“自国ではウィルスをコントロールしていて山場は越えた。日本はそれができていない迷惑な国だ”と、まるでウィルスの発生源が日本にあるようなキャンペーンを貼り始め、それを日本の一部メディアが追従しています。毎度のこととは言え、彼の国の稚拙さと、日本のメディアの提灯持ち体質には呆れてしまいます。

 

「明日を読む」にも、そうした現実を反映してか「WHOがパンデミック宣言をしないのは、やはり中国の圧力ですか」というものを多くいただきます。しかし中国共産党政府に対する不愉快な感情は必然なのか。また、国際社会の現実をどう判断するのか。その理解のためにも、状況の正しい把握は必要だと思われますので、その点について精査したいと思います。

WHOの主張の論拠

2月24日にWHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェソス事務局長は会見で、イタリアやイラン、韓国などの拡大に関して「深い懸念」を示し、パンデミックに対する備えを強調しました。しかし同時に「新型コロナウィルスがパンデミックに発展する可能性はもちろんあるが、現段階では大規模な重病者数や死者数に達していない」とも述べました。また3月に入ってからは新型コロナウィルスの患者が出ているにも関わらず、「ウィルスの拡大に余力を残している国がある。各国ともウィルスの撲滅にベストを尽くしてほしい」との旨に発言をしています。

その中で、WHOの新型コロナウィルスについての主張の論拠は

➀現状況では新型コロナウィルスが“抑制される可能性がなくなったとは判断できない”
➁重病化患者数、死者数がまだ一定の数には到達していない

ということで、換言すれば「このウィルスの封じ込めはまだ可能で、実際にそうできていると思しき国がある」ということになります。また同時に、「パンデミック宣言」を出すことは、イメージとしてだけでなく、世界秩序や経済活動など、あらゆる分野に於いて「希望」と「絶望」のバランスを逆転させることになるからだという判断です。

パンデミック宣言 出たらどうなる

パンデミックが宣言されるということは、感染が抑制することが期待できない事態ということで、そうなると、医療機関だけでなく、社会活動自体も大規模に制限するされます。つまり、ウィルスの拡大に止める術がなくなったと宣言することです。過去の事例でみると加盟国は感染者が発生した場合には24時間以内に通告する義務を課せられ、且つ空港・港での検疫強化や渡航制限などの、いわゆる水際対策の強化が求められます。更には、これは中国が最も嫌ったことだと言われていますが、WHOが民間を含めて監視に関する情報にアクセスしたり、各国の対応に対して勧告を出すという強制力が生まれます。つまりパンデミック宣言が出ると、そのウィルスを発生させた国はすべての情報を国際社会の管理下に置き、世界各国で足並みを揃えて感染対策を進める仕組みになります。

また、パンデミック宣言がだされるレベルになると、致死率も格段に高くなることを意味し、対象となる国の政府から緊急事態宣言が発令され、社会活動は完全に事実上ストップします。つまり、パンデミック宣言とは、世界がウィルスに対して対策の取りようがなくなった宣言であり、社会活動も小中学校の1か月の閉鎖などとは違うレベルの社会機能の停止を意味します。

今回の新型コロナウィルスでも死者数は決して少なくないと言えますし、また中国が本当の数字を出しているかは不明です。しかしWHOでは過去の大規模パンデミックを例にあげ、14世紀の黒死病では2500万~3000万人の死者が出たし、16世紀の天然痘や20世紀のスペイン風邪などでも5000万人から1億人の死者が出たことに比べると、今回はまだそのレベルになっていないとする主張を繰り返しています。

パンデミック宣言の基準を過去の事例で判断していると主張する愚

パンデミック宣言とは、正確には世界保健機関(WHO)が出す「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」とのことで、もともとは、コレラやペストなどを対象としていました。それが、世界環境の変化から近年、新型ウイルスやバイオテロなど、原因に関係なく国際的な対応を求められる感染をも対象とするようになりました。つまり、時代と共に―それはかなり細かいスパンで取り組むことですが―その判断基準は変わってゆくものです。例えば14世紀の黒死病の時代に中国からフランスまで、どれだけの人が移動し、どれだけの時間がかかっていたかを比べるだけで、それを基準にすることが無意味であることは誰にでもわかることです。

中には、2009年の新型インフルエンザで、WHOは「すべての人類の脅威」としてパンデミック宣言をし、これが全くの空振りになった時を例に挙げ、この時、欧州評議会の保健委員会長が「大企業が、ワクチンを売るためにWHOに圧力をかけた」とか「パンデミックに関するWHOの顧問と製薬会社との間に金銭関係があるといった調査がある」などの批判が続出し、神経質な判断基準が求められるようになったので、今回判断が鈍っていると理解するような発言もありますが、そもそもその程度の”腹”しかないのであればWHOが、この重役を担う必要などありません。彼らの仕事は人類の声明をウィルスから守ることなのです。

WHOは中国の圧力に屈している。こんな組織ならば存在の意味はない

少なくとも、今回のWHOの対応を見る限り、今回の判断は好意的に理解しても過去の状況下で、過去の情報環境を前提として、過去の国際関係に基づいたもので、まったく説得力を持ちません。WHO側の論理を最大限に好意的に解釈したとしても、中国に最大限忖度しただけであり、1月の段階で習近平が効かせた睨みに萎縮して本来の役目を疎かにしたとしか言えません。そのことが自体がここまで悪化させたことと併せて、WHOの存在と信頼を地に落とした点で、自体が収束したあと、決して国際社会は、この組織の今回の怠慢を看過すべきではないと考えます。

また、テドロス・アダノム・ゲブレイェソスWHO事務局長に関しては、今回の問題の最大の犯罪的行為と言えます。エチオピア出身で、WHOの責任者という立場でありながら、自国の最大の投資援助国である中国に対する忖度と恫喝に屈して、中国のスポークスマンとなり、今も世界を危険にさらしているという点だけをみても、すぐにでも辞任させるべきだと言えます。テドロス氏に関しては彼自身も利益享受しているという疑惑もとりだたされているので尚更充分な検証は必要です。

ただ今のWHOで、この困難を乗り越えることができるかも大きな疑問です。過去の様々な例を引き合いに出して、行動規範を決めるだけならWHOなど不要なのです。状況と情報を駆使して、危険を回避するのが国際組織の前提です。重ねて言いますが、今も過去も新型コロナウィルスが発生し、拡大させているのは中国であるのは変わってはいない。それだけではなく、情報操作をして事実さえ捻じ曲げようとする中国という国家の体制は国際社会の一員という認識も自覚も皆無だということです。

新型コロナウィルスの今後はどのように推移してゆくのかを、現状で正確に予測できる術はありません。また、このところの情報の中には、まだ伏せられている、或いは隠されている事象があるようなものがありますので“重症化しない”などという楽観論は持つべきではないかと思われます。WHOはいまのところ信頼に値する存在とは言えません。いま私たちが意識しなくてはならないことは、WHOの情報ではなく、各々の判断で新型コロナウィルスの拡大を食い止めてゆくための姿勢と、国民が一致して戦うという気構えに尽きるのだと思います。

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