東海道新幹線の利益独占体質に思う

東海新幹線の問題点

サラリーマンに限らず、多くの方で、出張や旅行で東京-大阪間の東海道新幹線を利用される方は多いと思います。私も仕事などで長年新幹線を利用しましたので、少なくてもこの30年くらいの変遷は知っているつもりですが、どうにも納得がゆかないことがあります。これは周りの友人やスタッフの誰に聞いても、首を傾げるので、おそらくはあまり認識されていない事だと類推できることです。
まず新幹線車両の古さです。そんなことはない、JRは次々に新しい車両に進歩させていると人は言います。しかし対収益を考えてのことです。これだけの利益が出ているのであれば、例えば2-2で快適なシートを導入した車両を主にしても(この10年の映画館のシートは劇的に変化しました)罰は当たりませんし、車両自体の変化も例えば九州の各電鉄会社に比べれば、大した変化とは言い難いのではないでしょうか。次にサービスの単調さです。そんなことはない。新幹線には優れた社内販売員がいて、次々に乗客の要望を読んでサービスしてくれると人は言います。しかしそもそも、誰にも利用し易い環境があるかないかです。新幹線の3時間でお腹がすいても、外で販売されるか、車内販売の弁当しか食べれなくて、それをサービスと言えるでしょうか(かつては国鉄が運営した食堂車というのがあったのですが、確か国鉄で”エビフライ問題”が出て廃止されましたが)。実に単調なサービスらしきものが繰り返されていますが、世の中のサービスの変化に比べれば退化しているとも言えるのではないでしょうか。東海道新幹線の攻撃のようになりますが、良くなってもらいたいという気持ちの裏返しです。これは不可能ではありません。同じように北陸新幹線や東北新幹線を利用された方は気づかれるかも知れませんが、同じ新幹線でもこちらの営業努力は目に見えていて好感が持てます。

競争がなくては優秀な技術が生かせられない

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では、何故東海道新幹線がこうなのか。考えられるのは年間2000億を遥かに越える単一路線の高い収益率からくる“利益の独占”でしょう。これは独禁法がどうのと言う事とは違います。東京一極集中下で第二の都市、大阪や京都、名古屋などを結ぶと言えば、日本国内でも他に例を見ない最高の路線であり、元々これはJRが国鉄時代から国策として税金が投入されて進めれらてきた事業です。厳しい言い方ですが、それで高い収益を上げているのですから、少なくても運賃の値下げやサービスの改善など、普通の企業並みの経営努力はすべきだと思います。また、駅内事業もほとんど関連会社が管理していて、これもほとんど利益の独占体質ではないかと思われます。
日本人はこうした体質に対して、ほとんど感覚が鈍っているようですが、日本に在住している外国人の多くは「東京-大阪の新幹線と航空機の金額が、ほぼ同じであることが疑問のようですし、詳細な話になると「それでよく利用者は怒らないものだ」という感想を持たれます。それが、世界標準だということも、知っておいても良いかも知れません。

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