官僚主導の業界協調体制や規制社会が日本を滅ぼす①

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官僚主導による業過協調体制

戦後、日本の官僚が生んだ発想は「官僚主導による業界協調体制」です。各省庁が“よくない”とレッテルを貼れば、その設備投資には政府系の金融機関だけでなく、普通の街中の金融機関も融資しないように“指導”がなされ、官僚の支持がなければ民間企業は事業ができない仕組みを作り上げました。今ではあまり覚えられていないことですが、かつて静岡の自動車修理工場を経営していた本田宗一郎氏が本田技研工業を興して大手オートバイメーカーとなり、改めて車の製造をしたいと希望した時、それを拒んだのは、この官僚主導体制でした。当時、多く誕生した自動車メーカーを整理統合しようとしていた官僚政策に反していたため、銀行の融資が受けられず、技術はあっても工場ひとつ作ることができなくなった経緯がありました。

ホンダ創業も規制した官僚

この危機は製材業を営んでいた、藤沢武夫氏の功労で資金調達に成功して、ホンダを世界的企業に成長させましたが、これなどは特殊な例で、業界の指導や談合に従わない経営者はアウトロー扱いを受けて排除されました。昨年話題になった映画「海賊と呼ばれた男」のモデル、出光佐三氏なども、これに苦しめられました。この例を見ても、官僚主導体制や業界協調体制は、戦後の一時期には確かに国土が廃塵と帰した日本では効果をあげたかも知れませんが、もうすでにその役割はなくなり、むしろ日本の未来に対して害悪としかならなくなっていると言っても良いのかも知れません。

日本の未来を蝕む規制や官僚主導による業界協調体制については、顕著な例がいくつもあるのですが、そのほとんどは一般の国民には知らされておらず、誰もよく知らないものが多いと言えます。例えば情報を司る書籍販売などでは書籍の取次店を、今の日本出版販売とトーハンなど、東京に集中させました。だから福岡市で制作した本を熊本で販売するにも、必ず東京に運ばなくてはならないので、情報誌などでは記事の鮮度や輸送費などがいきおい嵩むことになってしまいます。
(②に続く)

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