働き方を改革しても意味がない❔ とんでもない企業経営者の労働者に対する本音

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先日、とある地方都市で異業種交流会があり、中堅・中小企業経営者の方200人が集まりました。この回は年に2回コンスタントに開催されているものですが、今年は企業業績の良さの反映か出席率が大変高かったようです。また、出席されている方々の表情もたいへん明るく、話題が来年の消費税のことになっても、比較的楽観視している方が多かったのも印象的でした。

しかし、会が進むにつれて多くの方と話をしている内に、私の中にひとつの疑問が生まれてきました。それは、経営者の方の労働者(従業員)に対する考え方についてでした。確かに、今日本は数字的には景気が良いのかも知れません。それに伴い政府の支出もその対策に増大していますし、また地方などでは役所関連の予算枠が拡大していて、役所や関連施設に近い企業だけが潤うという“ピンポイント景気回復”の現象もあります。
交流会の現場からの、私の“危機感”についてご紹介したいと思います。

拡大が止まらない!企業経営者に瀰漫する労働者(従業員)軽視の考えは国の経済を瓦解させるか

最初に違和感を感じたのは、なにげないひとりの経営者の感想でした。その方は70歳前後の方で食材加工会社を営まれていますが、業績はもとより利益が大きく伸びている会社の社長でした。そんな彼がふともらしたのは、今度、奥様と沖縄に旅行に行く際に借りるレンタカーのことでした。
「私は田舎暮らしだから、お金をかけて旅行をするという発想がない。だからレンタカーで家内と寝泊りしようかと考えている」と真顔で言うのです。よくよく聞くと、かなり本気らしく、自分は贅沢とは縁がないので、これくらいがちょうど良いというので、まあ奥さんは迷惑かもしれませんが、自分でそのような旅のプランを立てている段階では、別に目くじらを立てるものでもないかも知れません。

しかし、ここからが違和感になります。話の主旨としては「“だから”今のひと(誰かは不明ですが)は何でも贅沢に走りすぎる。恵まれ過ぎはいけないから(?)私の会社では仕事前に体操とジョギングをさせていますし、事務所には冷暖房を入れない。仕事で使うパソコンやスマホ以外は持ち込み禁止にしている。」とのことで、これすべて「楽を覚えさせてはいけないから」なのだそうです。

“従業員は奴隷のようなもの”と発言する40代エンターテイメント業界社長

実は私を驚かさせたのは、この社長の妄言だけではありませんでした。その場にいた多くの経営者の方から、同調する発言が相次いだことでした。さすがにスマホ持ち込み禁止というところはありませんでしたが、“特に若い従業員は社会のことを何も知らないので、ABCから教えなければ檻から出せない”と、まるで猿扱いの言いよう。しかし具体的に何を教えてるのかと言えば、どこかの本を読ませた受け売り程度のことのようで、閉口するものでした。

中でも最も憤慨したのは、あるエンターテイメント業界の社長の発言で、彼は「従業員は使い方次第。彼らは奴隷のように厳しく扱うのがベスト」とはばかることはありません。さすがに“奴隷ってことはないけど…”と修正しようとされる方もいましたが、ついぞ弁を曲げる事はありませんでした。

もちろん、出席した経営者がすべて、或いはほとんどがそのような発言を支持したわけではありません。そうした発言を不愉快に感じて反論していた方もおられましたし、憤慨して、その場を離れるような常識派も少なくはありませんでしたが、私の印象では4対6で、常識派は少なかったように思えます。

“快適は悪”なのか。日本の戦後特有の考え方が、これからの日本経済自体を瓦解させている

7の非常識派の発言をしている方のほとんどは60歳以上の方のようにも思えます。彼らは聞いていると、従業員だけでなく、生活に於いて“快適は悪”と考えている方が少なくありません。もっと正確に言えば最初に「自分以外の…」をつけるべきかも知れません。

しかし、真剣な労働者不足が叫ばれ、また働き方改革が進んでいる現在、労働者(従業員)が快適に働ける環境を整備するのは、経営者として当然のことです。それを自分の時代がそうだからと言って、今の人達もそうすべきだと決めつけるような経営が、どのような役にたつのでしょう。

思えば30年ほど前には、“会社員は胃潰瘍の2つ3つできて一人前”とか“たとえ40度の熱が出ても這ってでも出社しろ”と言う時代はありました。出来損ないの製品があって、消費者に迷惑をかけることがあっても、“それを売ってくるのが営業の仕事だ”と怒鳴られた経験をお持ちの方も少なくないと思います。それが今でも“(従業員の)快適は悪”だという信念に繋がっているのでしょう。

敢えて言うと、そのような考えはいずれ自社の商品や営業にも色濃く表れます。いやすでに表れているでしょう。例えそれがいま影響がなくても、それは日本政府の景気対策や都市の一極集中のお下がりによるものだとするのであれば、いずれ自社の業績悪化に繋がり、それは畢竟日本経済の瓦解に直結するものだという危機感は忘れてほしくないものです。

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