参院6増の何が問題なのか。”停滞政治”の不毛な議論

陽は昇る 私的日録
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自民党が提出した改正公職選挙法が成立して、一票の格差が是正されることになりましたが、野党などは一斉に批判(毎度のことですが)。まあ批判の内容については”信じられない暴挙だ”とか”民主主義の破壊につながる”とか、判で押したようなものです。特に今回は6増のうち4は、”一票の格差は問題だ”というスタンスならば、誰も反対できないものですし、2にしてもこれは比例代表ですから、野党有利な案件ですので、要は”聞かれたら批判するけどまんざらでもない”といったところでしょうか。

考えてみれば、この法案はその意味でも実に上手い落としどころを捉えています。これを換言すれば「国家、国民には不利益ではあるが、政治家や官僚にとっては美味しいもの」と言えるでしょう。そうこのスタンスでいる限り、日本の選挙制度はいつまでたっても官僚や政治家の楽園であり続けるのです。

選挙制度の問題はそこにはありません。果たして本当に一票の格差は問題なのでしょうか。これを説明できる人は政治家でも多くはないでしょう。官僚が戦後、脈々と続けてきた「東京一極集中」。もうそれでは21世紀は乗り越えられないのは明白な事実です。にも関わらず日本の官僚は今もなお、これに憑りつかれたかのような執着を見せます。一票の格差を4以内で抑えなければ不公平だという概念は、言語明瞭意味不明で、これを果たすには日本の人口の三分の一が集中している東京に議員を集中しなければならなくなり、多くの地方では議員ゼロとしなければなりません。つまりよく言う”地方の切り捨てそのもの”にほかなりません。

これもあの獣医学部問題と同じように、国会議員の既得権益にも繋がっています。国会議員の身分も待遇も給与も大幅に軽減して、議員数を増やせば本当は全て解決します。しかしその正論に国民の気を向かせないのが官僚であり、言いなりであるメディア、そのメリットを享受できる政治家なのでしょう。

日本の選挙制度を抜本的に解決するには、最終的には憲法の改正が不可避でもあり、ここにも高いハードルがあります。憲法を一字一句変えることはまかりならないと言っている人の多くは、こうした世論操作がしたい官僚の手先であるというのも、偽らざるべき事実ではないでしょうか。

畢竟、選挙制度改革ひとつをとっても、日本の政治はなにも変えることができない「停滞政治」です。10~20年後、よほどのことがない限り、日本は知恵のある国にはなれません。経済は崩壊し、社会は疲弊しながら、既得権益者だけが跋扈する。自慢するのは京都や奈良などの古い日本文化と絶滅寸前の職人文化だけ。そんなアルゼンチン化に代わる「21世紀日本化」というのが今世紀後半の常識になるタイムリミットも近づいているのだといえるでしょう。

 

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