定年退職者のご相談 悩み多き60歳代の憂鬱

このところ、定年退職をした方のご相談が激増しています。“激増”と言っても、元々分母が小さかったので、言葉ほどの迫力はありませんが、あまり家の内の相談をしたがらない世代の精神的な変化なのか、或いは、口伝で当方のようなところがあると知った方が足を運んでくださるのか、件数も内容も増えているのは事実です。最初はご相談の内容に対応する形でしたが、他の世代に比べて、かなり恵まれていると言っても良い定年退職者層以上の変化に根本的な対応をすべく世代精査を行ったところ、今ではかなり流動的ではありますが、この世代の特徴を把握することができます。

“50歳代”と“定年退職後”、なにが違って来るのか

最初、定年退職者の相談は主ではなく、むしろ50歳代半ばがその対象でありました。ところがこの年代のご相談は中々敷居が高いようで、こちらが出した答えどころか、その前提を御理解して頂くのが中々大変な具合でした。それもそのはずで50歳半ばと言えば30年以上、同じ環境で働いている訳ですから、現環境が染みついています。また、会社の仕事には精通していても、社会の変化についてはほとんどご存知ないか、思い込みが強いのが特徴で、大変効率が悪い項目でもありました。


その中で、定年退職後、再就職された方が“職場での環境が理解出来ない”とのご依頼(前出ブログ「定年退職後の再就職 私はこれで会社を辞めましたと言わないために」)があったあと、徐々にこの年代のご相談が増えてきたのは、冒頭にご紹介した通りです。
では、この2つの世代にはどのような違いがあるのでしょうか。幾つもの要因はありますが、一番分かり易いのは、その問題が“起こる前”か“起きてしまった”後なのかの違いです。50歳代ではまだ今の職場に席を置いた上の、ある意味“想像”の状態です。ですのでご相談者にしても具体的な問題点はまだまだ経験していません。ところが定年退職後の世代は、実際に“今、経験して困っている”ことで、中でもその状況が“理解できない”と言うのが大いなる悩みなのです。

悩みへの対処は、両極端な結果になることが難しさの一因

例えば、前出の方のように“退職後、再就職したのだが、先輩方から聞いていたのとは環境が違い過ぎる”と言う悩みもあれば、最近多いのは“親や子供、妻との、意思の疎通が図れない”と言ったものもあります。“社会から疎外されていると感じられて生きる気力が湧かない”とか“毎日、なにをしてよいか分からない”と言うようなものも少なくなく、この世代は悩み多き世代であると実感します。
しかし、正直言うと、ごく一部の“健康面のご相談”や“税金や生活難”などを除けば、どれもが解決の比較的簡単なものが多いのも事実です。中には1時間ほどのアドバイスだけで、悩みがスッキリと解消して、その後のフォローでも、問題なく生活できていると言う例もありますが、逆に対処を間違えれば鬱症状が出たり、最悪のケースに繋がる可能性もあるのがその特徴でしょうか。
ご依頼があれば、その解決に全力を尽くしますが、その前にちょっとした現状認識と、予備知識を知ってもらうだけでも違うのかと思う部分がありますので、ここでは事前に知って頂きたいことなどをお話しします。

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