【定年退職をして始めて知る あなた自身の姿】来るべきその時のために知っておきたい5つの現実

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すべての常識が激変する あまりに厳しい老後資金

一時、話題になったのは、金融庁のワーキングチームの資産で“老後の資金に2000万円は必要”とした、いわゆる「老後2000万円問題」です。これに対しては賛否が交差しましたが、現実に皆さんが定年退職を迎える時に経験するのは、こんな論議はまったく無駄に思えるほど、人によって天地ほどの違いがあるというのが現実です。これまで、特に団塊の世代ではおおよそ同年代の人であれば、収入に多少の違いはあってもほぼ皆が比較的楽観視できるような老後を迎えることができていたはずです。

なぜこのような老後の設計が可能であるかといえば、これまでは戦後の規格大量生産社会に適合した会社や人を創るために、皆が“同じような仕組みや評価基準の中で、同じような待遇”の下で生きることが許された社会であって、人生のゴールとされた60歳の定年退職に二重三重のご褒美が待っていたことは先に述べました。彼らの時代には終身雇用の下で40歳の後半を迎えると、安定した高い収入や賞与が約束され、着々と預金通帳の金額も増えて行きました。銀行の預金金利も10年も入れておけば倍くらいにはなりましたし、家を買えば資産価値は少なくとも倍、通常で3~5倍くらは当たり前にありました。株式投資や自宅の評価も倍々ゲームの様相を呈していましたから、今、退職、引退している団塊の世代の世の中を見る目は、その時代を根拠としているので極めて楽観的で甘いものです。

さて先程の金融庁のレポートで2000万円必要とされたのは“夫65歳、妻60歳の家庭”です。この夫婦が共稼ぎでなく、ご主人が60歳で退職していたとしたら、すでにこの5年間には年間500万としても2500万円くらいは消費しています。それほど恵まれていることが前提です。このようなご家庭や、それ以上のご家庭はこの際、省いておきましょう。要するにこれから定年退職で60歳を迎える一般的な時代の不遇を味あわねばならない人たちはどうかというのがテーマです。

これからの退職世代、仮に“団塊よりふた回り下の世代”に多い、社会の仕組みを羅列してみましょう。

➀すでに終身雇用制はなく、退職金はあっても半分以下。年功序列賃金も税の優遇も定期昇給もなくなった時期がもう20年近く続いている
➁残業代のカットにより月給は30%以上ダウンし、ボーナスはこの10年は支給されていない
③仕事が減り、残業代もカットされ、切り詰めた生活をしても毎月赤字となる
④定年退職したあと仕事はなく、あってもこれまでの3~4分の1も稼ぐことができない
➄IT化や人員削減などで市場に実質上の失業者が増え、働く場所や技能がますますなくなる
⑥社会保険や年金、消費税など税金はすべて高騰している。
⑦銀行にお金を預けてもずっとマイナス金利の中で利子どころがATMで赤がでる
⑧景気数値の為の企業優遇は良いが、それに紛れて首切りしか能のない多くの経営者が温存される
⑨規制緩和がまるで進まず、官僚・公務員・既得権益者だけが潤う社会となり、三等国となっている

このような環境に陥ると、外的環境だけでも景気や金利、規制緩和などの社会環境だけでなく、退職金やボーナスのカット、昇給制度の改正などあらゆる点で本来あるべきものがなくなります。本来労働者を守ってきた社会や会社が牙を剥きます。
老後資金の問題とは畢竟、40~50歳以降に手にすることができるお金の問題ですから、これから退職を迎える多くの方は、その時になって“こんなはずではなかった”と思うのですが、その頃は選択肢も他に仕事もない“潰しの効かない”世代となっているので、身を削ってでも会社にへばりつくようになっています。

「これまでの蓄えを食い潰しながら、退職金や企業年金・確定拠出年金をあてにして、65歳までなんとか食い繋げる」選択肢もあります。しかしそれでは65歳2000万などは望むべくもありません。「一念発起して、早期退職をして、体がまだ動くうちに転職や、起業する」選択肢もあります。しかし、60歳を目前にして、長期に亘る消費低迷時代やIT時代に収益を出せる仕事に就くのはまた至難の業でもあります。

日本が三等国になり始めて、これまでのパラダイムが激変している中で、何を選択してもプラスに働かない環境の中で、どこまでも厳しい社会が待ち受けています。

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