トラブルの減らないパーキング業界。シェアリングサービスは救世主になるか。

かなり誤解を恐れずに言うと、“車に関係する事業”には、昔からトラブルが絶えないということがあります。例えばタクシー業界。今でこそ、サービス業として確固たる地位を築いていますが、比較的最近まで“雲助”的な業界と見る向きは少なくなかったと思います。未だに年配の方の中にはそう言って憚らない方も少なくありませんし、今でもかなり質の悪い現場の人間がいるという指摘もあり、これもまた事実かも知れません。タクシーとのトラブルでひどい目にあった方というのは結構皆さんの周辺にいるものです。


こう言うと“真面目に働いている事業者には失礼だ”と言う指摘はあるでしょうが、それでも“では、消費者の立場から見て、注意すべき業者はないのか”と問われれば、無しと断言などできるべくもないのが現実かも知れません。

迂闊に利用できないではパーキングの信頼性が担保できない

パーキング業界も同様で、こちらは昔からトラブルが絶えないと言っても過言ではないでしょう。例えば視界に難点のあるパーキングでは頻繁にガラスを割られて中のものを盗まれる“事件”が頻発しながら、全く無策のところが普通にありますし、不明確な表示で法外な料金を半ば強制的に取られるなどはまったく日常茶飯事でもあります。特に後者。最近特に増えて来ているのは、このケースです。「1日最大料金2000円のところに3日止めたら20000円を請求された」などのケースで、最大料金は2日目からは適用されないなどの表示を、わからないところに“こっそり”書いてある(或いは書いていない)などというもので、どうみても景品表示法(駐車場看板に関わる表示)に抵触するだろうケースは後を絶たず、有名な企業の運営する駐車場でも、この手の詐取行為とも思えることが常態化しているように思えます。

さすがにと言うか、これまで何をしていたのかと言うか消費者庁は昨年末に「駐車場の料金表示に関する注意事項」を発表しましたが、ほとんどの消費者の眼には届かないアリバイ程度のもので、内容も悪質な例を羅列するだけで、まるで“気づかない消費者が悪いのだ”と言わんばかりの内容に終始しています。
行政の立場では“しっかり指導をしてゆく”と言う事なのでしょうが、これまで何十年もありながら、打つ手のなかった行政に何を求めることができるでしょうか。こんなものは正確な表示を義務付けて罰則規定を設ければよいだけのことなのに政治も無策です。

事態改善してゆくための方法“パーキング・シェアリングサービス”

大体において、日本の駐車場というのは酷くコストがかかっていないでしょうか。私達がよく目にするパーキングには普通遠くからも見える大きな看板や自動精算機、自動ゲートなどが完備しています。しかしこのようなものが果たして必要でしょうか。例えば10台の車室のパーキングを依頼すると、これらの機械の導入から土地整備も含めると500~600万円はかかると言われます。それは大変と、そうした出費のないサブリースや一括借り上げで運営するケースが多く、土地オーナーが一定額を毎月手にするのでしょうが、当然運営企業が手にする金額は巨額になります。つまりパーキング料金が高騰する仕組みが組まれているのです。

駐車場大手のタイムズは“理想的な稼働率は47~48%”だと言います。つまりそれくらいならいつも空いている状態をキープできるので、高い料金での稼働を確保できるというわけでしょう。利用者は場所がないから高くても使わざるを得ないのだと高を括っていれば、いずれ消費者には見放されてゆくことになるでしょう。しかしそもそも
消費者には選択肢は存在しないのでしょうか。

私は最近よく聞く「パーキング・シェアリングサービス」というのに、一筋の光を見る思いがします。「シェアリングサービス」とは聞き慣れない言葉ですが、分かり易く言えば現在、活用されていない未稼働スペースをウェブで予約して利用できるサービスです。予約できますから、現場についてから駐車場を探して右往左往するストレスがありません。清算も予約時にアプリで完了しますから便利ですし、なによりそのパーキング価格が破格に安いと言うのもその特徴と言えます。

一例で言うと20分300円などの繁華街でも1日貸しでも1500円などという例は普通です。これなら料金も明解ですから、今まで時間を気にしながら買い物をしなければならなかったことから解放され、ゆったり、ゆっくり時間を過ごすことができます。

シェアリングサービスの何がメリットとなるのか

「予約できる」「コストがかなり安い」「一等地でも土日でも変わらないケースが多い」など良い事尽くしですが、これは場所を提供するオーナーサイドにしても同じです。基本的にはパーキング機器の導入や、看板の設置も必要ありませんから、初期投資は不要ですので、申し込みをするだけで無駄なスペースを収益化することができます。しかしその分、売り上げをシェアリングサービス業者と分ける形ですので、収益は少なくなるのではという杞憂もありますが、もともと未稼働なスペースを利用しているので収益が下がる事はありません。

またその収益も、シェアリングサービスが多くの消費者に知られるようになると稼働率、レストランなどに例えると回転率が上がりますので、率も高まりますし、なによりサービスの利用者への広告効果も期待できます。そもそもこれまでが充分にオーナーサイドの利益になっていたかというと甚だ疑問でもありますので、これは利用者も提供者にも大変価値のあるシステムと言えるでしょう。

このシステムは現在拡大途中です。大阪に本社のあるakippa株式会社がリーディングカンパニーですがパーキングの稼働率、サイトの利用率、対象パーキング数に於いて追従を許さない数値です。同社によると稼働率は他社の4~10倍はあるそうで、これらの仕組みが消費者に広がってゆけば、その利便性はますます高まって行き、私たちのパーキング事情も劇的に改善して行くのではないかと思われます。その申し込みも比較的簡単にでき、煩わしい契約書締結の必要もありません。「akippa 駐車場登録 申込サイト」が便利です。

もちろん従来の業者にも言い分はあるでしょう。つまり彼らが事業を始めたころには、シェアリングサービスを支えるIT技術はなかったと言えばその通りでしょう。その点では不利であるのは仕方がないでしょう。しかし一旦時代が切り替わったのであれば、シェアを占めている従来の企業が大きな転換を図らなくてはなりません。看板表示などもその一つでしょう。来るべき日本のパーキングのスタイルの模範となるべきで、決して現在の利益を死守しようとしてはいけません。いずれにしても、旧態依然のパーキング業界からの脱皮は、これから観光大国を目指す日本には不可欠なことだと言えるでしょう。

-トレンド・ウォッチ
-, ,

© 2021 明日を読む